試合が終わったあと、ベンチ裏で小さな背中がうつむいていた。 「どうしてあのときシュート打たなかったんだよ」 父親の声が少し強く響いた。その瞬間、子どもの目が一瞬だけ泳いだのを、僕は見た。 「次は頑張ろうね」 その言葉の裏にある“本当の想い”を、…
あるジュニアサッカークラブのコーチが、淡々と語る。 「このチームは毎年2年生になる前に半分以上サッカー部辞めるんですよ」「この中学サッカー部の卒業生も高校でサッカーを続けない子がほとんど」 その言葉には、痛みも、疑問も、驚きもなかった。 ただ…
子どもに何かを「教える」とき、 私たちはどこかで「ちゃんと理解させなきゃ」「早くできるようになってほしい」と思ってしまう。 できれば、すぐに成果が出てほしい。 うまくいかないと、つい焦ってしまう。 でも本当に大切なのは、 「教えること」よりも「…
「サッカーのルールに合わせるんじゃなくて、今は子どもにサッカーを合わせるかたちでやってます。」 ある朝、息子さんの試合を観に行ったお母さんが、コーチのそんな言葉を聞いたそうです。 その一言に、彼女は心から「素敵な環境でやらせてもらっているな…
サッカーの指導をしていると、つい口を出したくなる瞬間があります。 「そこはワンタッチで出して」「今のはサイドに開いて受ける場面だった」「シュート打たなきゃ、点は入らないよ」 …どれも“間違ってはいない”アドバイス。 でも、その言葉が、子どもたち…
「もちろん選手権で勝つことや、そこに導く力量が素晴らしいことは否定しない。だがそれと同じように、指導した選手たちが高校を卒業した後どう成長していったか、について、もっと語られていくべきだと思う。」 (吉永一明『異色の指導者』より) 異色の指…
サッカーコーチを始めたばかりの大学生の頃、初めて訪れた八ヶ岳のステンドハウスDEN。 あれから約20年。 いまだに八ヶ岳に通っている。 サッカーコーチを辞め、中南米に一人旅に出て帰ってからも田畑さんは好奇心丸出しで聞いてくる。 「中南米はどうでした…
「選手は世界レベルの環境でプレーしているわけです。しかし、残念ながら指導者がそこに到達していない。今後は欧州でキャリアを積む指導者が出てくるのが望まれる。ただ、現在は世界のサッカーは映像でも見られるし、体感しないまでもコーチングのヒントを…
オシムさんは言った。 「サッカーも人生も同じだ」と。 この言葉を、ただの比喩として聞き流すのは簡単だ。 けれど実際に、その言葉の重みを身体で感じて生きている人がいる。 元日本代表・羽生直剛さんも、その一人だ。 「踏ん張るところは頑張りながら、時…
ジュニア年代の試合を観ていると、 つい目を奪われるプレーがある。 ドリブルで何人も抜く。 強烈なミドルシュートを決める。 サイドで三苫のようなドリブル勝負を仕掛ける。 もちろん、それらは魅力的なプレーだし、 それができる選手はすごい。間違いなく…
2026-27年シーズンから、Jリーグが新たに「U-21 Jリーグ」を創設することが発表されました。若手育成に向けた新たな一歩とも言えますが、その背景には日本サッカーが抱える根深い課題も浮かび上がってきます。 U-21 Jリーグ創設の概要 東スポさんの記事によ…
試合で活躍した。ドリブルで何人抜いた。選抜に入った。県大会に行った。 もちろん、それは素晴らしいことだと思う。 努力して、技術を磨いて、結果を出すのは尊いことだ。 でも、そんな話を聞くたびに、 ふと胸に浮かんでくる、ある光景がある。 練習のあと…
イングランドサッカー協会(FA)から、非常に興味深い改革の発表があった。 ▼FA公式発表より(原文)“The Football Association (FA) has announced significant changes to grassroots youth football formats starting from the 2026/27 season. Influence…
プロを目指す者も、そうでない者も。サッカーは、かつてよりもずっと“人を育てる場”としての価値が問われているように思います。 Jクラブのアカデミーにおいて、日々10代の選手たちと向き合い続けているのが、名古屋グランパスU-18の佐枝篤コーチだ。彼はス…
子どものサッカーに関わっていると、時々、ふと立ち止まりたくなる瞬間があります。 「この子はなんでサッカーをしてるんだろう?」「勝たせたいと思ってるのは、もしかして大人のほうじゃないか?」 そんな問いが、心の奥からじわりと湧いてくることがある…
練習が終わった後もボールを蹴っている子。試合が終わったのに、「またやりたい」とボールを蹴る子。 そういう子たちを見ていると、「この子は、いい育てられ方をしてきたな」と感じる。 一方で、技術があるのにどこか無表情だったり、「上手くならなきゃい…
なぜ小学生が何度も移籍するのか? 「ウチの子、今年で3つ目のクラブです。」 そんな言葉を聞いて、驚く人はもう少ないかもしれない。ジュニア年代のサッカー界では、移籍がもはや“当たり前”になりつつある。しかし、それは本当に子どもたちのためになってい…
子どものサッカーに携わっていると、時々、ふと立ち止まりたくなる瞬間があります。 「あれ? なんでこの子たちはサッカーをしてるんだっけ?」 もちろん、うまくなりたい。勝ちたい。目立ちたい。 その気持ちは、まったく否定しません。むしろ大切にしたい…
Xでこんな投稿がありました。 私がFランと呼ばれる大学の学生さんの講義持ったことが何度かある 情報の講義とかですぐ投げ出したがる学生さんが何人かいた。だいたいみんな「俺はアホやからできひんもん」という。これまでそう言われてきたり、落ちこぼれと…
サッカーの本質とはなにか?と問われたら、なんと答えますか? 「難しいですね。サッカーは魅力的なものであるからこそ、答えが出せない、出したくないという感覚がありますが、強いて言うのであれば、サッカーは自由であり不自由なものであるということでし…
スポーツメンタルコーチの藤代圭一さんの著書「子どものやる気を引き出す7つのしつもん」の中で、子どものドリームキラー度をチェックする項目の紹介がありました️ 子どもができることより、できないことが気になる 「お前には無理」「どうせできない」「そ…
「サッカーは人間関係のスポーツです」という吉村先生の言葉が印象に残っている。 順天堂大学スポーツ健康科学研究科 教授であり、クリアソン新宿 アカデミーのヘッドオブエデュケーションを務める吉村雅文さんにお話を伺ってきました。 参考:https://criac…
スポーツメンタルコーチの藤代圭一さんの著書「子どものやる気を引き出す7つのしつもん」より引用️ 「実力は問題ないんですが、チームとうまくいってなくて、いまはセカンドチームにいるんですよ」 あるとき中学校三年生のお母さんからこんな相談を受けまし…
とあるサッカーママさんからこんなDMが送られてきました。 息子が所属していたジュニアチームなのですが、本当にパワハラ体罰がひどくて…夏なんてサッカーやるだけでも危険なくらいなのにミスした選手に炎天下10キロ罰走… 毎試合前に、負けたら罰走だからと…
こんな話を聞きました。 「サッカーコーチとして感じるのは、年々サッカーに対する好奇心がない子が増えていることです。子どもたちにとってサッカー以外のエンタメが優位になっている。スマホゲームが最上位にあって、それをどうにかしたい親がサッカーをさ…
近年、サッカーの育成年代が直面する課題は複雑化しています。特に社会環境の変化による問題が深刻化しているように思います。 「ボール遊び禁止」公園の増加子どもたちが自由に体を動かし、外で遊べる場所が減少しています。これにより、基礎的な運動能力を…
「ボランティアで子どものサッカーを指導してくださっているコーチたち、本当に感謝しかありません。休日も自分やご家族の時間もあるはずなのに、他人の子どもたちの成長を支援してくれているってすごいことだと思います。サッカーが好き、子どもが好きって…
Yahoo知恵袋にこのような悩みがありました️ 小学生の時にサッカーが下手で向いてないかもと思っても、その後上手くなったり人が変わったように練習に取り組むようになることはありますか?小学生中学年の息子はサッカーしていてもあまり積極的ではないです。…
先日、小学生低学年でサッカーをしている子どものママさんがこんな話をしてくれました。 「サッカーやりたいというので地域のクラブでやっているんですが、やる気があるように見えないんですよね。もっと積極的にプレーしてほしいと思っちゃいます。一生懸命…
明日も子どものサッカーで1日が潰れる、、試合会場までの送迎、家族全員で旅行する時間、ゆっくりする時間がほしい、子どものサッカーにあまりにも多くの時間が持っていかれる。練習も試合も少しでも休むと試合に出れなくなる。熱量の高いレギュラーの親から…