
育成年代のサッカーのコーチって稼げるの?っていう質問がありました。
コーチと言っても、ボランティアコーチ、外部コーチとして学校やクラブに雇われていたり、クラブチームのコーチだったり、それもクラブの規模によって変わったり色々あるので一概には言えないのですが、相場はかなり安いと言って良いと思います。
少し詳しく書いていきたいと思います。
育成年代のサッカーコーチ待遇の現実
日本サッカーは、ワールドカップでの活躍や、欧州リーグで活躍する選手の増加など、着実な進化を遂げています。しかし、その発展を支える重要な存在である育成年代のコーチたちの待遇は、依然として厳しい現実に直面しているといって良いと思います。優秀な指導者の確保と育成は、競技力向上の要であるにもかかわらず、低賃金という壁が、日本サッカーの更なる発展を妨げている可能性があるように思います。
実際に、サッカーコーチを辞めた仲間はこのように話していました。
「流石にこの給与じゃ家庭をつくれない」
「結婚を考えているので、ちゃんと稼げる仕事を探します」
サッカークラブ経営者ですら、サッカーコーチだけでは家庭を養えないと言って深夜早朝に別の仕事をしていたり、なかなか苦しい現実があります。
経済的に上手くいっているクラブはやはりビジネス面の基盤があるように思います。
深刻な給与格差の実態
コーチ仲間界隈から聞いた情報によると、Jリーグ下部組織のユースチームで指導するコーチの平均年収は約350万円ほど。これは全産業の平均給与436万円(2023年)を大きく下回ります。さらに、地域リーグや草の根レベルでは、年収250万円以下で働くコーチも少なくないです。
育成年代のサッカーコーチで月収20万以上あれば良い方という話も聞いたことあります。
「食べていけない」という現実に直面し、情熱だけでは続けられないと、有能な若いコーチたちが次々と現場を去っていく光景を見てきました。あるユース担当コーチは、匿名を条件に次のように話してくれました。
「平日は朝7時から夜9時まで。休日は試合の引率、指導で潰れる。それでも手取り20万円程度。家族を養える収入ではないと思います」
大手クラブとの比較で見える格差
一方でクラブによっては指導者の待遇は手厚いこともあります。関東の某クラブのコーチの平均年収は約500万円という情報もありました。サッカーだけでなく、いくつかの事業が上手くいっている企業はそれなりの条件が提示できるということだと思います。
この待遇の差は、指導者の質にも少なからず影響を及ぼしているように思います。
やはり生活に余裕がないと、新しいことを学ぶ余裕も、精神的な余裕もなくなります。そんな状態で子どもたちに良い指導をと言っても難しかったりします。
低待遇がもたらす負の連鎖
コーチの低待遇は、以下のような問題を引き起こしているのではないでしょうか。
1. 優秀な人材の流出
- より稼げる仕事を求めて他業種へ転職
- 海外クラブへの人材流出
2. 指導の質の低下
- 副業との掛け持ちによる時間的制約、精神的なストレス
- 自己啓発・研修機会の減少
3. 若手育成への影響
- 長期的な指導者育成計画の立案困難
- 技術指導のみならずメンタルケアなど選手サポートの質低下
問題の根底にある構造的課題
この状況の背景には、以下のような要因が考えられます。
収益構造の問題
- 月謝が安い(安くしないと入れない)
- 月謝以外の収益がない場合が多い
- (J下部組織など)放映権収入の低さ
- スポンサー収入の偏り
- 育成部門への投資優先度の低さ
社会的認識の課題
- サッカーそのものの価値が高くない
- 指導者の専門性に対する理解不足
- 「ボランティア的」という意識の残存
- キャリアパスの不明確さ
解決に向けて考えられるアクション
1. 制度面での改革
- コーチ給与の最低基準の設定
- ライセンス保持者への処遇改善義務付け
- 育成部門への投資基準の明確化
2. 収入構造の改善
- 放映権の価値向上施策
- 育成部門専用の収益モデル構築
- スポンサーシップの多様化
3. キャリアパスの確立
- 指導者育成プログラムの充実
- 海外研修制度の拡充
- 指導実績の可視化と評価制度の確立
書いてみたものの、とても一朝一夕でいくものではないですし、そもそも街クラブレベルになると、どうしても収益モデルをどのように確立するかという事業開発的側面が求められます。
サッカーだけでなくビジネスの理解がないとサッカークラブ運営は難しい事がわかります。
サッカーのコーチは、そんな構造を理解したうえで、自分でどのようにキャリアプランを立てるかを考えていく必要があります。
SNSでインフルエンサーとして稼ぎながら指導するコーチも出てきています。
未来への展望
優秀な指導者が情熱を持って仕事に打ち込める環境づくりは、日本サッカーの未来への投資になります。
これはサッカーだけの問題ではないのかもしれません、子どもにサッカーを指導するにはサッカーだけでは足りないように、指導者が社会でサッカー以外の仕事を経験することもある意味必要なのかもしれません。
育成年代はなおのこと。
とはいえ、サッカー指導と仕事の両立は簡単ではないので、サッカー指導の負荷が下がり、給与が上がれば現場は益々発展していけるのではないでしょうか。
少子化が進み、更にサッカーを選ぶ子どもの数が減っている上に、サッカークラブやスクールも乱立しているので、パイの奪い合いになっている状況です。クラブ経営も年々難しくなっています。クラブ運営には様々な費用がかかり、最少のスタッフで運営せざるを得ない状況が続いています。これは多くのサッカークラブが抱えている問題でしょう。サッカー以外に利益を生む仕組みを作れているクラブは強いのですが、それでもこの少子化で、サッカー以外のスポーツの多様性が生まれたことは、更なる発想が求められていると感じています。 ジュニア時代は、サッカーか野球かバスケを選択されることが多かったように思います。いまは、卓球やバイクスポーツ(スポーツバイク)など、選択肢は多種多様な時代です。サッカーなどの団体スポーツは休日の試合などで1日の多くの時間を使ってしまいます。個人競技が好まれるのは、その競技が世界一を目指せる競技に成長したこと、また家族の時間を過ごす為に団体競技より気軽に休ませられるからという調査結果も耳にしました。