先日、某高校サッカー部の生徒と話す機会があったのですが、こんなことを言ってたのが印象的でした。
「コーチが指導する日と、顧問が指導する日があるのですが、全然指導の仕方が違うんですよ。コーチは運動理論に基づいた指導や、戦術的なことまで分かりやすく教えてくれるのですが、顧問の先生は、気合と根性が強いと言うか、まあ大事なのはわかるのですが、試合の翌日のリカバリーや怪我を考慮してくれないのが辛くて、怪我を繰り返すメンバーがいたり、上手いのに部活をやめてクラブチームに行っちゃうやつもいて、自分もどうしようか考えてます。」
未だに古い価値観から抜けられない勉強不足の指導者は多いと思います。部活の顧問の先生は忙しくて勉強する暇がないのかもしれません。
クラブチームに行きたいけど、お金もかかるし親に申し訳なくて…って、この子は言っていました。まだ相談できていないようでした。
なかなか難しい問題です。
昨日、ダルビッシュ選手の記事を読んだのですが、今回の話に非常にリンクする内容だなと思いました。
指導法に根拠がなく、選手が納得できないまま(現役の)時間が過ぎていく
「走り込みは、コーチたちがそれしか手段を知らないから。手段はいろいろあるのに、何となく『お前は下半身が弱いから走れ』っていう方法しか示すことができない。これは、やっぱりその人の人生を考えてもリスペクトに欠けるし、これだけいろんな情報があふれている世の中で、まだそこですかって。その選手の野球人生を終わらせかねない。常にその選手のベスト、今の世の中で提供できるベストを考えるのが指導者だと思う。そこに対する努力はしないといけない」
ーー中略ーー
「バイオメカニクス(運動力学など)とか、そういう勉強をしないで、自分の経験をもとにコーチングするから今の時代にそぐわなくなる。だから、そこに対するフラストレーションを現役選手は抱えている。指導法に根拠がなく、選手が納得できないまま(現役の)時間が過ぎていく。それが当たり前の世界になってしまっている。どうしようもないもどかしさがあるのかな、と感じました」
割と高いレベル・レイヤーでも日本スポーツ界には昭和の価値観と表現していますが、アップデートされた理論やトレーニング法を学ばない指導者が多いということが書かれています。
育成年代を見ると、10年前と比べると少しは良くなっているように見えるのですが、個人的には格差があるように見えます。
ある大会にいくと、素晴らしい指導をするチームしかいない。別の大会に行くと、いつの時代のサッカーだろうと思うような、子供たちが大人に操作されているかのような罵声が飛び交っていたりします。
後者の母数が減ってきていればよいのですが、実態はどうなのだろうと思うことがあります。
時代と共に、人も、社会も変わっています。指導者も変わっていかなければいけないと思います。いつまでも変わらない、時代に取り残された学ぶ意欲がなく成長をやめてしまった人に指導、教育に関わることは難しいと思います。
2年前、東京の名門サッカー部の子からDMが来て話を聞いた時のことを思い出しました。こちらの記事も読んでみてください↓