大人になってから学ぶサッカーの本質とは

サッカーの本質を追求するWebマガジン 考えるよりも感じることを大切に 美しさとは何かを感じる心を大切に 大切なものを失わない為に書き綴る

2023-01-01から1年間の記事一覧

2023年のご挨拶

みなさま 本年もありがとうございました。多くのご意見をいただく中で感じること、たくさんありました。 その中で、サッカーで発生する問題のほとんどは、サッカー以外の問題なんだなと改めて感じました。 ハラスメントの問題、ジェンダー問題、これらはサッ…

上手くなるためのサッカーしかなくなってしまった

ブラジル人コーチのジョゼがある日、私にこんな質問をしてきました。 「ブラジルのクラブでは、コーチや選手たちがスラム街に行って、スラムの子どもたちとサッカーをするよ。終わってから、僕らが子どもたちに何て言うと思う?」 私は、そんなこと、決まっ…

小野伸二選手の著書『ギフテッド』より、「今の子供は教えられ過ぎじゃないか…」

天才と呼ばれたサッカー選手、小野伸二さんの著書『GIFTED(ギフテッド)』。 人々を魅了するテクニック、それはどのように育まれたのか、どんな環境で天才は生まれたのかが知りたくて手に取りました。 幼少期から良い指導者、大人たちに育まれてきたからこ…

子どもとの信頼関係ができていないコーチがサッカーを嫌いにさせてしまう

前回、ジュニアサッカー大学から電子書籍「指導者のための【少年サッカー・コーチングの入門書】」を下記の記事でご紹介させていただきました。 keikun028.hatenadiary.jp 前回に続いて、書籍の中の一部を引用してご紹介させていただきます。 コーチとして指…

ジュニアのサッカーコーチに求められるサッカーの技術よりも大切なこと

ジュニアサッカー大学 というYouTubeチャンネルをご存知でしょうか。 育成年代の指導に関する大切なことが学べるチャンネルで、育成年代のサッカーに関心の高い読者の方はご存知の方も多いと思います。 そんなジュニアサッカー大学から電子書籍「指導者のた…

強豪サッカー部で受けたパワハラ。声を上げ、矢面に立って感じる更なる理不尽

先日、こんなメッセージをいただきました。 (※掲載許可いただいています) 高校生の息子が、部活での無茶なオーバーワークによる度重なる大怪我と、監督やコーチからの継続的なパワハラ、心ない言動により、心と体を壊してしまいました。 さらに、顧問(監…

5歳の息子がサッカーをやめたい理由

5歳の息子がサッカーやめたいと言うので理由を聞くと、怒られるし、つまらないと言うので見に行ってみたら、息子が言う理由がわかりました。コーチがちゃんと教えよう、しっかり成り立たせようと必死で、大きな声で指導してくれていて頻繁に笛で止まるし、サ…

サッカーにおいて、テクニックよりも大切なこと

芸術家の父を持つ、安西カオリさんが著書「ブルーインク・ストーリー」で描く父親の話がとても興味深く、サッカーにも通じることだなと思い、下記に引用させていただきました。 今までで一番つまらない絵を描いていたのは、高校生になってデッサンを学びはじ…

子ども達のプレーの意図を想像してほしい。沢山の大人が子どもたちを育むという選択。

子どもたちの、「もっとサッカーが上手くなりたい…」保護者の方の「もっと笑顔でサッカーして欲しい…」そんな願いに応えたくて始めた練習会。 今の環境に何かプラスの変化を求めて多くの方が集まってくるこの練習会を「➕ONE(プラスワン)」と名付けました。(➕…

サッカーコーチのハラスメント。忖度と意見が言えない親の立場について

「サッカーママ: 息子をサッカー選手にと奮闘した12年間」先日、ご紹介したこちらの電子書籍から、コーチの息子さんへのハラスメントと言えるレベルのふるまい、そしてそれを目にした上で、親としての立場の難しさ、苦悩がリアルに伝わる内容でした。 一部…

とあるサッカーママさんの「息子をサッカー選手にと奮闘した12年間」という書籍がとてもリアル…

小中高校までの日常は、ほぼサッカー三昧の日々。家族のレジャーはテーマパークではなく、グランドでのサッカー応援でした。 そして活躍する息子の姿を見て、もしかしたら「サッカー選手になれるかもしれない」そう夫も私も思ってしまいました。 その期待が…

ドイツの1FCケルン愛に溢れたガイドさん。日本の子ども達に還元していけること 〜ドイツレポートvol.3〜

私は6才の時に学校のクラスで観戦に来て、その時にファンになったんだ。当時観に来たクラスメートの殆どはケルンサポーターになって、ならなかった何人かは既に他のチームのファンだったんだ。 かの有名な1FCケルンのスタジアム見学で、ガイドのアンディおじ…

ドイツの育成指導者が大切にしていること。「子どもたちに共感すること」〜ドイツレポートvol.2〜

日本人として地域のクラブに溶け込み、子ども達に「アイ!」「アイ!」と親しげに呼ばれる姿は誰からみても妬けてしまうぐらいに、慕われていたケルン市のDJKズードウェストクラブ指導者の吉泉愛さん。 日本人指導者たちのために、 スペシャルトレーニングと…

ドイツの子ども達の試合会場での保護者の振る舞いから学んだこと 〜ドイツレポートvol.1〜

8/18~25の日程で、ドイツ北部辺りに位置するノルトライン=ヴェストファーレン州地域のサッカーグラスルーツ環境の視察研修に参加してきました。(池上正さんの企画ツアーでした) 主には指導者向けの行程でしたが、保護者としても子ども達の試合環境やクラ…

遊びを知らない、教育だけされた選手が量産されていくように見える

フランスをはじめとした多くの国々でエリートシステムが機能しているのは、裾野に多くのダイヤの原石が転がっているからです。原石は作られるものではありません。雑草のように勝手に育ってくるものです。 そうした国々では、底辺のサッカーは文字通り好き勝…

子どものサッカーの補欠を減らし、複数チームに登録してプレーできる環境を

セルジオ越後さんの著書「日本サッカ-と「世界基準」より引用させていただきます。 1972年、初めて日本の土を踏んだわたしは、子どもたちのサッカーを見て唖然としました。強豪と呼ばれる高校の練習を見に行くと、ボールを使って練習している生徒より、ゴー…

サッカーが「上手い」には画一的な正解がない

絵を描くことが好きでも、評価されない子供たちは次から次へと絵から離れていった。残ったのは、先生にどう言われようと、描いていれば楽しいといった自分のようなマイノリティ派だったと父はいう。 イラストレーターであり、エッセイストでもある安西水丸さ…

「サッカー指導者は伝え方で決まる…」岩瀬健さんの著書を読んで感じたこと

サッカー指導者の岩瀬健さん(大分トリニータヘッドコーチ※2023年6月時点)の著書「サッカー指導者は伝え方で決まる 机上は緻密に、現場は柔軟に」より引用↓ 理論をピッチへ持ち込んで実践するのは当然ですが、問いたいのはその持ち込み方です。無暗に映像を…

子どもたちが安心して失敗出来る場所を作ること

子どもたちにもっとサッカーを楽しんでほしくて始めた練習会。 (Instagramアカウントはこちら) keikun028.hatenadiary.jp 初めて練習会に参加した子の保護者からは、練習後、 「久しぶりに『楽しかった~!』と言って子どもが帰ってきました 」「こんなに…

「ファミリーサッカー」という遊び場づくり。子どもたちにとってサッカーも砂場遊びも同じ遊び

ファミリーサッカーの様子 先日、Football Questを主催している木下さんとランチをした際にこんなお話をしました。 公園でボール遊び禁止の看板が多く、実際にボール遊びしていると中高年の方に怒られるんですよね。公園を子どもたちファーストにデザインで…

「一緒にサッカーする?」の一言から始まった少女のサッカーライフ ― サッカーに魅せられた少女の物語

私は小学1年生のとき、サッカーに出会いました。 それまで、運動は好きだったけれどスポーツクラブに入ったことはなく、放課後は友達とおしゃべりしたり、鬼ごっこをしたりしていました。 ある日、公園で楽しそうにサッカーをしている大人たちの横で友達と遊…

公園で知らないおじさんがサッカーボールを持って乱入した日。子供たちを魅了したサッカー体験

ある晴れた日の午後、公園で元気いっぱいに遊ぶ子供たちの姿がありました。彼らはサッカーを楽しそうにプレーしていました。しかし、彼らの元気な声とボールの蹴り合いは、ふとした瞬間に静まり返りました。 それは、公園で知らないおじさんがサッカーボール…

教えたがりの先生、コーチが子供の好奇心を奪ってしまう理由

子供は本来、自分で考えたり、試したり、発見したりすることが大好きです。しかし、教えたがりの先生やコーチは、子供が好奇心を持つ前に先回りして教えてしまったり、自分の考えややり方を押し付けたりします。これはなぜでしょうか? 【目次】 子供の好奇…

子供の可能性とは。大人の視点=思考が子供の可能性を広げる

今回お伝えするのはドイツで感じた子供の可能性の感じ方と大人の視点=思考についてです。息子のチームにどういう選手が集まっているかをキーに、またコーチの言葉の中から感じた事と合わせてお伝えしたいと思います。 1.個性だらけの息子のチーム 息子のチー…

パワハラといじめでサッカーを辞めた青年が、サッカーコーチになった話

パワハラといじめでサッカーを辞めた青年が、サッカーコーチになった話。 このエピソードは、ある大学生に聞いた話を元に書きました。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー 青年はサッカーが大好きでした。少年団やクラブには入らなかったものの、小さい頃か…

あるサッカー少年がサッカークラブを辞め、公園でもサッカー禁止され、サッカーを辞めた話

サッカーが大好きだった少年がいました。彼は地元のクラブチームで才能を開花させ、将来のプロサッカー選手を夢見ていました。 少年はある日、新しいコーチがチームに加わったことで生活が一変しました。このコーチは厳格で冷酷な人物で、彼の指導は容赦なく…

「リケルメさんにとって、サッカーとは何ですか?」という問いへの答えが原点だった逸話。

亘崇詞の著書「アルゼンチンサッカーの思考力」より引用↓ 個性の塊のようなリケルメは、ピッチの内外で伝説を残しています。 アルゼンチンのサッカー界には徒弟制度のような気質が残っていて、後輩が先輩に馴れ馴れしく口をきこうものなら嫌われてしまいます…

「なぜ日本はストライカーが育たない?」を中村憲剛と佐藤寿人が語る。ケンゴとヒサト サッカー人生以外にも役に立つサッカーの話より

中村憲剛さんと佐藤寿人さんの対談本の一部をご紹介させていただきます。 素敵な内容が散りばめられているので、当ブログのテーマにマッチする面白い箇所を引用させていただきます。 第4章「なぜ日本はストライカーが育たない?」より↓ 寿人 パサーのどの足…

サッカーは一人でできない。僕らは一人で生きられない

人は、自分でないものの存在を気遣っているときにこそ、本当に幸福なのではないか。人を出し抜く賢さや、高いところから見晴らす正しさからは、喜びを汲み出すことができない。 自己の偽善性も、他者の偽善性も、まずは認めるところから始めたい。例え絶対的…

サッカーをやってきた人間には、会社員は物足りないのか?

サッカー選手を目指していた若い子から仕事の相談をされることが増えました。 選手にはなれず、社会人として働きはじめ、仕事、会社組織に物足りなさを感じているという話が多いです。 物足りないです。つまらないです。熱狂できないです。やりがいを感じら…