脳科学者の茂木健一郎さんと祖母井さんの対談書籍の一部を紹介させて頂きたい。
祖母井秀隆さんとは、「オシムを日本に連れてきた人」であり、日本サッカーに大きな貢献をしている方です。
著書「祖母力」は指導に関わる方は必読!
【参考記事1】サッカーに捉われてはいけない 〜祖母井 秀隆〜
【参考記事2】教えれば教えるほどダメになる 〜技術は遊びの中で身につける〜
祖母井さんの生き方 「人として大きな心を育てる」
サッカーというスポーツでは、技術、戦術、体力など、いろいろな要素が大事なのですが、私はそれ以上に、メンタルの部分を重要視しています。人は自分だけでは生きられませんから、他人を思う気持ちというものを、とても大事にして生きてきました。監督を選ぶときにも、「この人を信頼して、どういう状況でも行動を共にしていく」と常に心に誓っています。ですから、私が選んだ監督を自分で解雇したことは、今までにありません。オーナーが監督を代えようとしたときには私もいっしょで、自分だけが残るということはあり得ないんです。
茂木:サッカーに限らずに、生き方としてそう思っておられる、と。
はい。この世の中は、これからますます厳しくなっていくと思うんです。サポートを得られずに孤立する人が、すでにだんだん増えてきています。そういう時代に、われわれがサッカーを通じて何ができるかと考えたときに、このスポーツは人間の成長にすごくいい影響力があるものだということを、進んで示さなければいけないと思うんです。もちろん、優勝することも大事でしょう。でも、そうやって結果だけを追い求めてしまうと、世の中がぎくしゃくしてしまいます。そういう状況に対して、サッカーを通じて何かサポートできるものを、自分の生き方の中にきっちりともっていたいんですよ。それが、「人のためにどれだけ尽くせるか」ということなんです。
多くの育成年代指導の現場で、サッカーを上手くさせることに躍起になり、人としての大事な部分をないがしろにしている現場を頻繁にみかける。
人として成長すること、サッカー選手として上達すること
教育の本質とはなにか、大人と子供、コーチと選手の関係の前に“人と人”という関係の大切さを理解できないと真のフットボーラーは育たないということ。
伝え方を間違えてしまうと、サッカーで養われる大切な技術も人間性も育まれない。
祖母井さんの言葉は多くの真実が散りばめられている。
私たちは学び、考えて、しっかりと伝えていかなければならない。
【参考文献】
プロフェッショナル 仕事の流儀 祖母井秀隆 サッカークラブ ゼネラルマネージャー 信頼の上にこそ、組織は輝く
サッカーの本質を追求する旅はつづく…