子どもに「こうあってほしいな」という気持ちが浮かび、それを押しつけそうになったとき、いつも思い出す言葉があります。今日はその言葉を教えてくれた本をご紹介します。
親の思いを強制しない勇気
以前、息子のチームメイトに気になる子がいました。低学年の頃は見るからにサッカー大好き少年。ニコニコボールを蹴っていました。でも、高学年になったその子は、いつもどこか不安げで、どこか不満げで。
プレー中、以前のように太陽のような笑顔を見せてくれません。
彼は週4日のチーム活動のほか、週2別のチームの練習に参加していました。
ある日の午後、公園でばったりその子と会いました。
「今日も夕方サッカーあるの?」と聞いた私に、
「うん・・・」と浮かない表情。
「どうしたの?」と聞くと、小さな声で
「だって・・・いつもサッカーだもん」・・・。
「そっか・・・。お母さんに『行きたくない』って言わないの?」と聞くと、
「だって、怒られるし・・・サッカーに〇〇円かかってるもん」・・・。
あぁ、この子は自分の気持ちをお母さんに言えないんだな、と思いました。
こんな気持ちでサッカーをするとき、彼の中で、サッカーは「遊び」ではなく「しなくてはならないこと」でしかありません。
しなければならないことは、もう彼にとって楽しいことではありません。
いくらかかってると思ってるの?
自分がしたいって言ったんでしょ?
上手くなりたくないの?
毎月○○円払っているんだよ?
こんな風に言われると、子どもはもう、自分の気持ちを言えません。
「子どもがしたいって言うから~」とそのお母さんは言っていました。あくまでも、子どもが決めている、と。
「やるの?やらないの?自分で決めなさい」と、いう言葉に、やる、と言わなくてはいけない雰囲気をだしてはいないだろうか。
子どもが勇気をだして
「やりたくない」と言ったとき、
「あなたの選択が1番大事よ」と心から言えているだろうか。「本当にそれでいいのね?」と期待する答えに誘導するよう、子どもに問いかけてはいないだろうか。
言葉の裏にある親の大人の思いを子どもは敏感に感じとります。そして、親の思いを忖度します。
「上手くなって欲しい、やる気になって欲しい」親の願いが、子どもたちから「楽しい」「やりたい」を奪い、笑顔や成長を遠ざけているなら、本末転倒です。
この本のメッセージは、いつも私を戒めます。
子供が育つまで、親は時間とお金をたくさん使います。でもそのことについて「お前にはたっぷり投資したんだから」などとは言ってはいけないと思います。
大切なのは、押さえつけず、子供たちに考えさせ、選択させることです。
子供の人生は子供のものです。子供がどういう人になりたいか、どういう人生をあゆみたいかは、親が決めることも強要することもできません。
引用元:七田式の原点「大切なことは、みな子供たちから学んだ」
「親の思いを強制しない勇気」を持つことが、子どもの笑顔に繋がることを忘れないでいたいと思います。
プロフィール
サッカー少年の子どもを持つ母
子どもたちをもっと笑顔にするためには大人が変わらないといけない…
本には大人が変わるヒントがたくさん散りばめられています。
大人の心を育む本をご紹介していきます。