大人になってから学ぶサッカーの本質とは

日本にいながら外国人リーグでプレーする私の目から見るサッカーの本質とは… 元サッカー選手、元サッカーコーチ、中南米放浪サッカー経験者として好き勝手語らせて頂きやす

ダビド・ビジャが見せた世界レベルのプレーとは 〜Jリーグ6月のベストゴールを紐解く〜

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 バレンシア、バルセロナ、アトレチコとスペイン国内の強豪を渡り歩いたゴールゲッターが昨年、Jリーグへとやってきた。

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名はダビド・ビジャ。
スペインリーグ(以下、リーガ)ではゴールランキングの常連、EURO2008では得点王を手にした超一流だ。


リーガ通算186ゴールを決めたワールドクラス。そんなビジャが決めたゴールが今年6月のJリーグベストゴールに選出された。

超一流が見せたスゴ技を、余すことなく解説してみたい。

 

 

ゴールが生まれたのは第17節、神戸VS名古屋。前半27分の先制点だった。

ここで、そのシーンをご覧いただきたい。

 

 

 


大まかにこのゴールは

①パスを引き出す動き
②ボールを持ってからの仕掛け
③シュート

の3フェイズに分けられる。順を追って見ていこう。

 

①パスを引き出す動き


パスが出る前、ビジャは一度裏を取りに行っている。

しかしパスが出てこないと察した瞬間にストップし、次のパスのタイミングを伺いなおしている。

これがいわゆる「動き直し」だが、その切替の早さは目を見張るものがある。

と同時に、動き直す動作の中で、ボールにつられたCBの目線を計算し背中に入っている。

このポジションを取ることで、ビジャにとってのDFは中央にいる一人のみ。パスが出る前に1対1を作り出したのだ。


更に走り込む動作を見せることで、パサーに裏を取る意思を見せつつも決して全力で走ってはいない。

スピードを出さないメリットはパスが出た瞬間にスピードを上げることでオフサイドを確実に回避できる点にある。

無論、相手にボールを奪われない為には全速力でスタートを切らなくてはいけない場面も存在する。

このシーンの場合、すでに1対1であり、そのDFとも距離が遠いため安全なスタートを切ってもカットされることはないと計算し、確実なタイミングを見計らっている。

 

②ボールを持ってからの仕掛け


ドリブルを開始した瞬間、DFは外へ追い込もうと骨盤ごと体を外に向け対応している。

ビジャが選んだ選択肢は、骨盤の更に外側へわずかにボールを動かすこと。

対応できない角度へのドリブルに対し、後ろへ下がることで対応しようと足を動かした。

その瞬間にビジャは改めて縦へ加速し直している。


「骨盤を揺さぶることがコツ」と話したのは、天才ドリブラーの宇佐美貴史だった。

ビジャはそれを、ペナルティエリア内という最もナーバスになり得る場所でやってみせたのだ。

縦へ加速するタイミングを重視し、利き足ではない左足で加速したのも見逃せないポイントである。一瞬を見逃さなかった絶妙なドリブルだったといえるだろう。

 

③シュート


シュートを打つ直前に、ビジャは右足アウトサイドでボールの位置を変えている。

もしこれをしなかった場合、シュートは左足で打つことになりやすい。それを避けるた
め、無理な体勢を取ってでも右へ位置を変えたのだ。

左足で打つことの問題点、それはGKとの駆け引きである。

もし左足でシュートを打つ場合、シュートコースはニアへ限定されやすい。カーブをかけることが難しいからだ。

これを避け、右足側に置いたことでビジャにはニアに転がすかファーにカーブをかけて打つかの選択肢が生まれる。


しかしGKとて黙ってみてるわけにはいかない。
ましてや名古屋のGKはリーグトップクラスのランゲラックだ。

ランゲラックはビジャが体勢を崩した瞬間に、シュートコースを消すべく飛び出した。

これは模範的正解であり、その判断スピードはさすがランゲラックというべきハイレベルなプレーだ。

しかしビジャはそれを目視した瞬間、体勢が戻る前に無理やりシュートを放つ。

飛び出したランゲラックの手が届かないように浮かし、キーパーを避けるようにインフロントで少しカーブをかけ、ゴールへと流し込んだ。

改めてシュートシーンを見直すと、ボールを浮かすべく足を潜り込ませる様子が確認できる。




以上の3フェイズの流れを把握したうえで、改めてゴールシーンをご覧いただきたい。

一つ一つの動作は決して派手ではないが、それらはすべてゴールを決めるために計算されたプレーであり、機能美だ。


そんな世界レベルを我々に見せてくれるビジャ。今後のプレー、一挙手一投足を目を皿にして見ていただきたい。

Jリーグが彼から学ぶことは、あまりにも多すぎるのだから。

 

ライター

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