大人になってから学ぶサッカーの本質とは

サッカーの本質を追求するWebマガジン 考えるよりも感じることを大切に 美しさとは何かを感じる心を大切に 大切なものを失わない為に書き綴る                    ※当ブログはプロモーションが含まれています

名門サッカー少年団の子どもが感情を殺されている話。「コーチに喜ぶなと言われています…」

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先日、サッカー仲間たちとのフットサルに小学6年生の男の子がきてくれました。

大人と混ざってプレーしたいということで、主催者の仲間が受け入れたのですが、小学生の男の子は、ゴールしても喜ばないんです。いいプレーして大人が称賛しても喜ばない。

「ゴール決めたら喜んで良いんだよ。なんで喜ばないの?」

 

サッカー仲間たちがそう聞いても照れ臭そうにする。

本当は嬉しいんだけど、喜びを表現できないでいる。

 

フットサルを観にきていたその子のお父さんがこちらにきて話してくれました。

「○○FC(都内の名門)に所属しているのですが、子供達が喜ぶとコーチや監督が怒るんです。試合中に会話も禁止だそうで、この子たちもサッカーが楽しくないからこうして今日やらせてもらいにきたんです。いまや喜ぶことを忘れてしまったようです...」

 

ちょっと信じられませんでした。

子どもをサッカー嫌いにさせてしまう指導者を私は許せません。

そういう人はサッカーに関わって欲しくないと思います。

名門ということで、そこそこ結果が出てしまうから、保護者の方々も何も言えなくなってしまう。

 

ジュニア年代って、大人の入れ知恵で結果が出やすいんです。

高圧的な指導で、強制的に、無理やり限界を超えさせて強くしていく、いわゆる根性サッカーというやつです。これで結果が出ると間違えて能力高めの子が入るサイクルができて、そこそこ勝ててしまうという名門と呼ばれるよくある昔からのチームはそういうケースが多い。

上手い子しか試合に出れない。下手な子は試合に出る機会さえ与えてもらえない。月謝は払っているのに…

こういうチームいまだに本当に多い。

コーチングという言葉の意味も知らない人が、サッカーの本質を知らない人が、サッカーを教えてしまっているんです。結果出てるんだから間違ってないと、勘違いしているおじさん指導者、お爺さん指導者がたくさんいるんです。

 

子どもの感情を殺してしまう指導者、ただただ従順にプレーする子がいい選手だと思っている指導者はどうすれば変えることができるのでしょうか。変わることができないなら現場から離れてもらわなければ、犠牲になる子供は減りません。

 

その子のプレー、とても一生懸命でした。

やらなきゃ怒られる。必死にやらなきゃ、走らなきゃって、もう見ているだけでかわいそうになります。

 

プレーはもうガチガチです。力が入ってしまって、力任せで余裕がないから、駆け引きできない。呼吸も浅い。

 

「大丈夫。落ち着いてやろう。必死にやらないで。サッカーは余裕がないといいプレーできないよ。力が入りすぎちゃうといいプレーできないから、力を抜いて、相手にプレーを読まれないように、力を抜いて駆け引きするんだよ。パスなのかドリブルなのか、何するかわからないようにプレーする。そう。いい感じ...」

 

約1時間一緒にプレーして、ちょっとだけプレーが柔らかくなったけれど、彼の体に刻み込まれてしまった恐怖は簡単には消えません。

 

大人が変わらないといけないんです。

指導者はもちろん、保護者の方も、おかしいことはおかしいと声をあげてほしいです。

声を上げないと指導者は気がつけません。

難しいと思います。日本には同調圧力というやつが根強いからです。

おかしいことをおかしいと声をあげる人を、よく思わない人間が権力を持っていると、声を上げる勇気がない人たちはそういう権力に同調してしまうからです。

 

日本社会はこういうことがとても多い。おかしいことをおかしいと声をあげる人を、叩き潰そうとする腐った人間が権力を持ってしまっているわけです。育成年代は割とこういう話をよく聞きます。

 

でも、おかしいことをおかしいと言えないと、おかしいことがおかしいままなんです。

子どもたちの為に、私たち大人が勇気を持って変えていくしかないんです。

自分の周りの数人から少しづつ変えていければ、それぞれが少しづつ変えていければ、きっと変わります。

 

日本は世界有数の自殺者大国です。精神疾患の数も世界トップレベルです。

 

コーチに喜ぶなと、感情を出すなと指導されてしまう子供達がいるんです。

出る杭は打たれやすい社会なんです。同調圧力がすごい社会なんです。モノに溢れているのに、心は満たされない人が大量にいるんです。

 

サッカーは、感情を表現するスポーツです。真剣な遊びなんです。

それなのに、感情を出すな、遊ぶなと指導されてしまう。

私はこれをどうにか変えたいんです。みんなで問題を共有する為に発信しています。

一緒に変えていきましょう。

 

サッカーの本質を追求する旅はつづく…

 

サッカーの本ではありませんが、お勧めしたい本をご紹介させてください。

堀真一郎さんの著書「きのくに子どもの村の教育」と「ニイルと自由な子どもたち」です。子供の教育について書かれている本で最近最も影響を受けた本です。ぜひ、読んでみてください。

きのくに子どもの村の教育

きのくに子どもの村の教育

  • 作者:堀真一郎
  • 出版社:黎明書房
  • 発売日: 2013年07月
ニイルと自由な子どもたち

ニイルと自由な子どもたち

  • 作者:堀真一郎
  • 出版社:黎明書房
  • 発売日: 1999年03月