大人になってから学ぶサッカーの本質とは

サッカーの本質を追求するWebマガジン 考えるよりも感じることを大切に 美しさとは何かを感じる心を大切に 大切なものを失わない為に書き綴る

「日本の子供たちは生まれつき持っていたはずの創造力を失っている」オシムさんの提言

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元サッカー日本代表監督、イビチャ・オシムさんの著書「考えよ」より引用。

日本人の子供たちは、こういう(大人の)コントロールを受けることによって、生まれつき持っていたはずの創造力を失ってしまうのかもしれない。

日本人は一般的にとても才能豊かで創作力のある人々である。情報技術やコンピュータゲームやデザインや漫画などの分野で、日本人が世界で成し遂げてきたすべての結果を見てみればわかる。発明が必要な分野では日本人は世界で指折りの国民なのだ。

なのに、そのクリエイティビティがサッカーの世界では活かされているとは言えない。日本人はサッカーでも子供たちに創意豊かに自由にプレーさせるべきなのだ。

考えよ!

考えよ!

  • 作者:イビツァ・オシム
  • 出版社:角川書店
  • 発売日: 2010年04月

子供たちの持っている創造力を壊してしまっているかもしれない

日本でサッカーの育成年代の指導に携わってから、海外の育成年代を見てみると、自分が感じていた違和感は間違っていなかったと、確信をもてるようになりました。

子供たちを上手くするため、強くするため、勝たせるために強制し、矯正する日本の伝統的な指導文化のあり方は多くの場合間違っていることに気がつきました。未だに問題になる指導者による暴言暴力。これは日本特有の問題と言っていいのかもしれません。

オシムさんの著書にもあるように、私たち日本人は創造力に溢れ、クリエイティビティを発揮するポテンシャルがあるかもしれません。しかし、歪んだ体育会系文化や教育が子供たちの可能性を潰してしまっている可能性があります。

私たちはこの課題をどうするか、考え続けなければなりません。

そして、子供たちが自由にクリエイティビティを育む時間と空間をつくる必要があるのではないかと思います。

子供が自由に遊べる空間と時間を

多くの公園で、サッカー禁止、野球禁止、ボール遊び禁止…

こんな看板を目にします。

理由は、近隣の皆様にご迷惑となるからだそうです。

近隣の人が、公園で遊ぶ子どもの声がうるさい、ボールが飛んできたら危ないと、区役所にクレームを入れたのかもしれません。一件だけでなく何件も入ったから、このような対応になったのかもしれません。

サッカー禁止、ボール遊び禁止…子どもの遊び場がなくなった理由。日本という国を蝕んでいる病。|Kei_imai|note

学校でも、スポーツクラブでも、大人の管理が徹底されています。

更には、公園でも「禁止」看板が増え、少しでもルールを外れれば大人の指導が入る。子供が大人の干渉なく、自由にクリエイティビティを育める場所はどこにあるのでしょうか。

いまや、子供の数より大人の数が圧倒的に多いわけです。

大人が子供を育むための理解が必要なんです。

しかし、そんな大人の多くは、過剰な管理社会を構築してきた構成員であり、私たち日本人は主体的に社会に対してアクションを起こすようなメンタリティを持ち合わせていません。そのような教育を受けてきていないからです。

同調圧力が強く、何か目立つことをすると、叩かれる出る杭は打たれる文化で育まれてきているので、これまでの常識とは異なること、つまり常識をアップデートするという作業に対して非常に弱いと感じます。

それが現在も古き悪き文化がアップデートされていかない要因なのではないかと思います。

でも、理解のある大人が増えてきていることも感じます。

少しづつ変えて行けたらいいなと思います。当たり前のことを当たり前に。

keikun028.hatenadiary.jp

イビチャ・オシム 日本サッカーへの遺言。

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  • 作者:
  • 出版社:文藝春秋
  • 発売日: 2022年06月13日頃
日本人よ!

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  • 作者:イビツァ・オシム/長束恭行
  • 出版社:新潮社
  • 発売日: 2007年06月
エコロジカル・アプローチ

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  • 作者:植田文也
  • 出版社:ソル・メディア
  • 発売日: 2023年03月15日頃
保育実践へのエコロジカル・アプローチ

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  • 作者:山本 一成
  • 出版社:九州大学出版会
  • 発売日: 2019年04月12日頃