なぜ、子どもたちは言われたとおりにできないのだろう?
教育やスポーツの現場に携わると、まず直面するのがこれだと思います。
さて、どのように指導しようとなるわけですが、多くの場合、みんな一緒に、同じようにできるようにと指導していくんです。でも、できない子がいる。そこで、なぜこの子はできないのか?を深く考察せずに、子供の能力の問題にしてしまうことが多いのではないでしょうか。
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不登校児に向き合った教員の気づきと懺悔…「心の準備ができたら子どもは勉強する」
過去には不登校の生徒の担任をしていたこともあったのですが、いま思うと、本当に表面的にしかわかっていなかったなと感じます。通常の教室にいると、みんなで同じようにやるのが当たり前だと思ってしまうのですが、ここに来ると、ひとそれぞれいろんな学び方があることがわかります。通常の教室ではうまく学べない生徒でも、自分に合った学び方であれば長く集中してできるんだなというのが驚きでした。たとえば私なんかは英単語はひたすら書いて覚えるタイプでしたが、それが苦手な生徒もいます。それでも、教室ではみんな書かされる。書くのが嫌だから英語が嫌いになる。逆にいえば、その強要をやめれば、もっと楽しく勉強ができる子はたくさんいるんだということに、この部屋を担当するようになって気づきました。
できないのは子どもたちのせいではなくて、やり方のせいだった
これはサッカーでも同様で、これまでは上手くできない少数の子たちに対して、能力の問題だとされてきたと思うんです。多くの場合。
でも、個性、特性の理解が進むと、それぞれに適したアプローチが見つかります。これが分かると多様性の理解が進むと思うんです。
みんなと一緒じゃなきゃいけないという感覚から、みんなと違っていいし、その子らしさを尊重することが大切だよねという感覚が多様性を生み出すと思うんです。
みんなと同じようにできないけれど、みんなと違う方法ならできるようになった事例はたくさんあると思うんです。
サッカーもそれ以外のチームスポーツにおいても考え方を変えていくタイミングなのかなと思います。
異なる個性が集まり、連動するときに化学反応し、想像を超える表現が生まれます。
サッカーはポジティブな化学反応が起きやすい状態をいかにチームとして設計するかが鍵になります。でもそれはサッカーに限らないと思うんです。
余白のあるところに面白い何かが生まれる。
その余白を作っておくことが大切なのではないかと。
ビジネスのみならず、教育もスポーツもDE&Iの視点とその浸透はとても大切だと思います。だからこそ、現場の気付きがとても大切で、今まさにアップデートしていくタイミングなんだと思います。