スペインのレアル・ベティスのメソッド部門責任者パブロデルピノの話が面白かったので、ご紹介させていただきます。
スペインで指導に携わるTomizawaさんのTwitterはぜひチェックしてみてください。
今の選手は戦術的すぎる
パブロデルピノ @76_pino
レアルベティスメソッド部門責任者
「今の選手は戦術的すぎる ②」 pic.twitter.com/xPQeVqdzEm— Hiroki Tomizawa🏠 (@HSPHIROKI) April 25, 2020
①
私たちはサッカーのナチュラルな部分を少し壊している。
来シーズンから始めようと思っているサッカー選手の過剰な戦術化に関連したプロジェクトがあって…今のサッカー選手は戦術的過ぎます。
私たちが選手だった頃、もっと技術的な選手でした。思い出すとトレーニングは機械的で技術志向で、クリアやシンプルなシュート練習ばっかりでしたが。
これも違うと思いますよ。
これもやりすぎですが、選手をそこまで変えるのも…私はいつも自分のコーチ達、つまり自分の仲間に言っていることがあります。
「日々のトレーニングでストリートサッカーや創造的なサッカーの割合をとりもどさなければいけない」と。
選手達に一番大事なことはボールに飛び込まないディフェンス、攻守の切り替え、スライドと教えるんじゃなくてね。
過剰な戦術コンセプトだらけなんです。
ただコーチ達はこのおかげで他とは違う選手になっているから失ってはいけないと言う意見も持っている。
②
これはどこの選手もそうだよ。
サッカーというスポーツのプレー解釈レベルの高い選手を育てることができる知識を持ってる。
でも一度みんなで議論をして、枠からはみ出る、1対1の選手、リスクを犯す選手、そういうタイプの選手を取り戻せるようにする必要がある。
今の選手もそうだけどフィジカルコンタクトを恐れないボールを保持する中でリスクを負う。こういった能力はもっと必要です。
必要以上に厳しくせず、選手がサッカーを楽しむのも確かに大切ですが。
今の繊細さと昔の強引さ、どちらも必要です。
練習の構成はチームの要素が強すぎて、個人の要素は少ない。
選手たちがリーグ戦で余裕がないのであれば、自分たち指導者が余白を作らないといけない。
日本でスペインのメソッドを導入しているクラブはたくさんあります。
しかし、多くのクラブで戦術偏重の傾向があると思います。
日本という国のサッカー文化の文脈、日本人のメンタリティを踏まえた上で指導できる指導者は少ない印象があります。
一にも二にも戦術…、戦術が重要だと、極端に指導する光景を何度も目にしてきました。そしてSNSで発信している戦術オタクがたまに育成指導の現場にいたりもします。
戦術は当然大事な要素です。
しかし、大切なのはバランスなのです。
スペインの名門、ベティスのメソッド部門責任者が話したことはとても重要で、日本ではなくサッカー大国スペインの育成現場が危惧していることなのです。
サッカーの本質を追求する旅はつづく…

- 作者:山口遼
- 出版社:ソル・メディア
- 発売日: 2020年05月14日
