7月のことです。
負けたのか、プレーが良くなかったのか、
炎天下の中ひたすらグラウンドを走らされている選手たちがいました。
その中の1人の少年。明らかに様子がおかしい。
フラフラと蛇行しながら何度も嘔吐いています。
見かねて、そのチームの指導者を探し、
「あの子、様子がおかしいです。吐きそうですよ」
そう声をかけると、
「はい? あ~大丈夫です~ありがとうございます~」
軽く答えたそのチームの女性指導者。該当の選手にすぐに声をかけず、その子が自分の前まで走ってきた時にやっと声をかけました。
「おい、〇〇、よく途中でやめずに走ったな。やめていいぞ」
そのまま木陰に倒れこんだ選手。
その指導者は、走っている子どもたちを見てもいなかったので、意識朦朧としている子がいることに気づいてもいませんでした。
「吐きそうになっても走るのをやめなかったこと」を褒める指導者にゾッとしました。
こんなチームに子どもを入れていたら殺されてしまう。
彼がその日1日で、得たものはなんだろう。
吐くまで走ることの素晴らしさ?
サッカーの楽しさは?喜びは?笑顔は?
なんの目的で走らせるんだろう。
選手達のプレーに納得がいかなかったとしたなら、それを指導した彼女に責任はないのか。
選手達にいったいなんの罰が必要なんだろう。
堀江貴文さんと西野亮廣さんの共著「バカとつき合うな」のなかで、堀江さんは「我慢を美徳にするバカ」について、こんなふうに述べています。
「いろんなルールや課題に、それが意味を持つのか納得していなくても、耐えて我慢するということを刷り込まれる。それがいいことだと刷り込まれる。
結果それが転じて耐えて我慢することがいいことだと誤解しはじめる人がいます。」
「我慢を美化し肯定しているケース、世の中にはほかにもたくさんあるんじゃないでしょうか」
その指導者は我慢を美徳にしていました。
子どもたちを洗脳しないでほしい。
我慢は美徳ではない。だれも幸せじゃない。
堀江貴文さんの著書は、言葉は過激で極端だと思われることもありますが、こと教育に関しては共感できる点も多くあります。
もっと自由に。もっと子どもは選んでいい。
もっと子どもの笑顔を大事にしよう。
プロフィール
サッカー少年の子どもを持つ母
子どもたちをもっと笑顔にするためには大人が変わらないといけない…
本には大人が変わるヒントがたくさん散りばめられています。
大人の心を育む本をご紹介していきます。
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