大人になってから学ぶサッカーの本質とは

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心に残りつづける松田直樹選手の魅力 〜僕の永遠のマイヒーロー〜

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中学生の頃、学校に行くのが億劫で、1時間目が終わる頃にようやく布団から出て、のんびりと登校していたことがほとんどだった。時間にして9時30分とかそんな感じだろう。

眠い目をこすってテクテク歩いていると、背の高い男が少々不機嫌気味にハンドルを握っている、ゴツゴツした四角い外車が、サ――っと自分の横を通り過ぎていく。
その瞬間、こすっていた眠い目が一瞬にしてキラキラ輝く瞳に変わり、低血圧ゆえの低めなテンションは、一瞬にして最高潮に達する。マイヒーローのお出ましだ。

 

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補足すると、当時ホームページには、10時から練習が始まるというスケジュールが記してあった。我が家の近くにある高速のインターチェンジから、マイヒーローのトレーニング場所までは30分ほど。ぶっ飛ばしたら15分で着くかもしれないが、とにかく「ギリギリ」なことは間違いない。
彼の名誉のために言っておくと、ほぼ毎日、同じぐらいの時間にその道を歩いてる自分が、その道でその車を目撃するのは年に数回。基本的にはプロサッカー選手としてしっかりスケジュールをこなしていたと思うが、やっぱりピッチの中での振る舞いと同じように、ムラッ気が出てしまうことが、たまーにあったのだろうと思う。

【最後のメッセージ】

「俺、サッカー好きなんスよ!」

2:50秒くらい

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その言葉がテレビで繰り返され、純朴なサッカー少年的な部分だけが何度も何度も映し出されていたころ、メディアって本当に適当だなと心の底から思った。
マイヒーローを目撃したのは道だけでない。ピッチの上も含め様々な所で見聞きしてきたけど、テレビでは全然取り上げない、引くぐらいアウトローな部分もあったと思う。

気持ちがノッてれば正統派のプレーで最上級を出すし、イライラしてればイライラしてるなりの爆発力で上手さを見せる。パーソナリティで圧倒的なものが溢れ出る人が、本気でサッカーするとこんなに上手いのか。そういうことを幼いながらに感じさせてもらった選手だった。

 

退場

1:10秒くらい

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ヘディングは強いし、カバーリングセンスは抜群。キックが上手くて、スピードもあって、フィジカルもある。闘争心もサッカー観もずば抜けていて、本当に選手としてはパーフェクトな能力があったと思う。その能力があるにも関わらず、キレたら誰も止められなくて、レッドカードも何枚も貰って。。。そういうことは色んなところに書いてあるからいいか。

やっぱり闘争心が魅力だけど

 

残念ながら、ネットに動画が残る時代ではなかった。全盛期のプレーは、殆ど今となれば観ることが出来ない。
その中から、時たま彼の姿を見つけると、繰り返し目に焼き付けて、少年時代の気持ちを思い出す。

 

規格外の能力の高さ

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例えばこのゴール。

ボールを奪って、自分で攻撃参加、そして正確なキックでゴールに叩き込む一連の流れで、パーソナルの能力値がめちゃ高いことが一発で伝わると思う。

ボールの奪い方がシブすぎる。マリノスがカウンターを受ける形だが、アプローチにひとり行ったと確認すると、裏側から現れ、身体を入れる。


「ディフェンスは相手(ボール)とゴールの間を守る」「カウンターに対してはまず引いて遅らせる」という、サッカーのセオリー2つを完全に無視するこのプレー。実はさらに驚くポイントがあって、この日の彼は3バックの中央でプレーしているということだ。
ゲームはシーズン終盤のJ 2降格の可能性が残るゲームで、スコアレスな後半に3バックのセンターが、そういう形でボールを奪いに行く。
そして奪った勢いでそのままドリブルして、シュートまで行き、最後は決めてしまうわけで、ズバリ規格外と言っても言いすぎじゃない。


もしかすると彼に言わせれば「前は切れてたから、後ろから行っただけ」「後ろは人数が揃ってたから」と言うだけの判断なのかもしれないが、相手からボールを奪うため、相手からゴールを奪うため、柔軟に対応していけるサッカー観が真骨頂なんだと思う。

とにかく魅力的な松田直樹というサッカー選手


「好きな選手について書いてね」そういうリクエストだから、自分の中で大好きな選手について思う存分書かせてもらおうと思ったけど、時間があればいくらでも書けるし、逆に書かずにいて心に留めておきたい話もなんだかたくさんある。

今のサッカー少年にぜひとも見て欲しいなと思ったりもするけど、それはもう叶わない。
小学校2年生の時、学校の作文で「松田直樹みたいになりたい」と書いた。今となってはどうしてそう書いたのかもよく覚えてないけど、幼いながらにカッコいいと思ったんだろうし、そこを選んだ俺は意外とセンスあるじゃんと思う(笑)
上手いだけがサッカー選手の魅力じゃないし、人間としての魅力がピッチでの魅力になる。
 

 

この世を去るのが早すぎる、という人もいる。短い時間で、一気に情熱を燃やし、消えていってしまった。でも、史上の人物というか、本当のスターってのは案外こういうものなのかもしれないな、なんて今となっては思ったりする。本当に人を惹きつける素敵な選手だったな。

 

ライタープロフィール

丸山龍也 

丸山 龍也 (@maru_ryuya) | Twitter

サッカーすごい好きだけど、サッカーすごい下手な、元海外リーガー。

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サッカーの本質を追求する旅はつづく…

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