元日本代表監督であり、FC今治のオーナー岡田武史さんと、日本野球界の伝説、王貞治さんの対談本の一節を紹介させていただきます。
岡田
サッカーが上手くなる条件として僕がよくいうのは、第1にサッカーを好きになること。第2に夢や目標を持つこと。そして第3にコーチや監督にいわれたことをやるだけでなく、自分で考え動くことです。まず大事なのは、好きになることです。好きなことであれば、自然に「こうしたい」「こうなりたい」という夢もできてくるはずです。
王
いまの若い人たちはよく、「何が自分にいちばん向いているのかわからないから、夢も描けない」といいます。
でも、向いているかどうかは、実際にやってみないとわからないものです。そのときそのとき、興味のあることをやればいいんですよ。
若いときは興味の対象もどんどん変わります。もっと気楽に考えて、そのとき、いちばんやりたいことを夢中になってやればいいんです。
ジュニア世代の小さい子供に、親御さんがスパルタ指導をしている光景があるという投稿をTwitterでしたところ、あちこちから「うちの近所でも同じような…」という連絡がきます。
我が家の近くの公園でもたまに見かけます。こないだもバルサのユニ着たまだ未就学っぽい子が泣きながらリフティングしてる横で怒鳴りながらスマホいじってるパパを見て悲しい気持ちになりました。。ああいうときって声かけにくいですよねぇ。もう息子もボール持ってないから一緒に遊ぼうとも言えない。 https://t.co/YNEga7AKhF
— Takamasa Shichisawa, 🏍Nana (@nana_shichisawa) 2022年6月8日
成長したいという強烈な想いが子供にあって、熱血パパあるいはママがサポートしているのであれば、いいのかもしれません。
しかし、多くの場合、そのアプローチ方法は間違っていると思います。
岡田さんの言うように、まずはサッカーが好きになること、その次に夢や目標があること、この目標に向かってのサポートの手段が、単なる根性論の追い込みというのは、子供の気持ちを壊してしまいかねません。
親御さんもコーチングに必要な考え方を学ぶ必要があると思います。
そして、王さんが仰るように、向いているかどうかはやってみないとわかりません。子どもは小さい頃は尚更、好奇心旺盛で、移り気があるものです。
一つのことをやり抜くという考え方ももちろん大事ですが、それ以上に色んなことをやってみることが大切です。
サッカーを嫌いにならないでほしいですし、好きでいてほしいと思います。
サッカーより向いているスポーツがあれば、それをやればいいと思います。
高校時代の野球部の友人は、野球は得意だったからやっていたけれど、サッカーの方が好きで、草サッカーもするし、Jリーグを観戦します。
大学時代の柔道部の友人は、柔道が好きで得意だから選手だったけど、サッカーが好きで試合を観にきてくれたし、オフは一緒にサッカーゲームをしたり、お酒を飲みながら欧州リーグの話で盛り上がります。
サッカーはエンターテイメントです。さまざまな関わり方があり、ボールひとつあればどこでも遊べます。言葉の通じない国に行っても、サッカーという言語で繋がれます。
そんな最高のスポーツを嫌いにさせないでほしいんです。