サッカーの試合のプレーヤーは1チーム11人。 小学生なら8人。
公式戦では登録できる人数も交代枠もあり、選手全員が出れない試合、というのもあるでしょう。
「勝たせてあげたい」
「みんな出してあげたい」
指導者のみなさんはいつもこの葛藤の中にいるんだろうな、と思います。
息子のチームのコーチはなかなかレギュラーで試合に出られない選手たちにこう言います。
「君たちの成長がチームを支えるんだ。自分の武器を磨いてごらん。どの選手も、全員がこのチームに必要なんだ」
この言葉がどんなに選手たちの励みになっていることでしょうか。
コーチは選手たちに対し、「Aチーム」「Bチーム」という言葉も使いません。
「俺達のチームにはAもBもない。状況や相手によって起用の仕方は変えるんだよ。
ひとつのチームなんだ。全員が最高の準備をしよう」
「伸びしろってあるだろう?どこで伸びるかなんてわからない。目の前のことに全力を尽くすんだ」
「doじゃないんだ。playが大事なんだ。自分の武器を生かし、 自分でプレーを選び、 サッカーを楽しむんだ」
今の力の差、技術の差は、チームを分けられなくても選手自身が一番よくわかっています。
我が子を誰より見守っている保護者もよく分かっています。
だからこそ、コーチのその思いが、選手や保護者の心に響きます。
その思いが伝わるからこそ、選手たちは出た試合で全力を尽くします。
指導力もさることながら、選手のやる気に火をつけ、子どもの可能性を感じさせてくれるそのコーチのもとには、多くの選手が集まってきます。
コーチの言葉は選手たちに魔法をかけます。
「自分は必要とされている」と感じることで、子どもたちは自信を持ち、「まだまだ上手くなれる」という思いが、選手のやる気に火をつけます。
期待は人を成長させます。
大人は、子どもたちにかける言葉を選ばなくてはいけないんだと思います。
今日は本ではなく、そのコーチが選手たちに教えてくれた映画をご紹介します。
この映画の主題歌のタイトルは、
「This is me (これが私だ)」
この歌のメッセージは、
「人と違っていいんだ」
「ありのままの自分を認め受け入れよう」です。
(金子みすゞさんの詩のフレーズ「みんな違ってみんないい」を彷彿とさせます)
この映画のストーリーは、さまざまな個性をもつ人々が、その個性を生かし、唯一無二のショーを つくることで 多くの人を笑顔にするというもの。
コーチは選手たちに、
「俺たちのチームをこんなチームにしたいんだ。俺たちのサッカーで、応援してくれる人たち、みんなを幸せにしよう」と言います。
誰もが個性を輝かせ、最高のパフォーマンスで世界に感動を届けられるチーム。
日本がそんなチームで溢れるようになったら、とても素敵だと思いませんか。
プロフィール
サッカー少年の子どもを持つ母
子どもたちをもっと笑顔にするためには大人が変わらないといけない…
本には大人が変わるヒントがたくさん散りばめられています。
大人の心を育む本をご紹介していきます。
『サッカーとビジネスのプロが明かす育成の本質』から学ぶ指示命令のない自律自走型のチームづくりとは
- 作者:菊原志郎/仲山進也
- 出版社:徳間書店
- 発売日: 2019年11月30日頃
- 作者:幸野健一
- 出版社:徳間書店
- 発売日: 2020年07月02日頃