サッカーの育成の世界でにわかに話題となっている 「岡田メソッド」
サッカー本大賞2020の特別賞、優秀作品をダブル受賞し、多くのメディアでも取り上げられています。
その内容は、16歳までにサッカーの原理原則、型を覚え、その後は自由にサッカーをする。
自立した個人、自律した組織をつくるというもの。
「型を教え込む」「自由にプレーする」 という、まるで、相反するように感じることを謳う岡田メソッド。
この2つが両立するんだろうか、と不思議に思うかもしれません。
実は、息子の所属するチームでも、この「岡田メソッド」を取り入れた指導が行われています。
最初の頃は「型を覚える」ということに、子どもたちが窮屈なんじゃないだろうか、四角四面なサッカーが出来上がるんじゃないか、子どもの自由な発想を奪うんじゃないだろうかと不安でした。
けれど、指導をうけて1年が経つ頃、その心配が杞憂だったことに気づきます。
先日、チーム発足後、初の公式戦が行われました。
普段練習を見ていない保護者が感嘆の声をあげます。
「いつの間にこんなレベルの高いサッカーするようになってるの!?」
選手たちは、1年かけて身につけてきた原理原則を共通認識に、自由にプレーを選び、ピッチで躍動します。
選手同士が同じイメージを持っているため、意志の疎通もスムーズです。 ピッチに響くのは選手の声。
「2!」「3!」「ハント!」「シャンク!」
岡田メソッドの呪文のような単語があちこちから聞こえ、ボールが回り、ボールを奪い、ゴールへ向かいます。
そこには指導者の怒号も、萎縮した選手の姿もありません。
かわりに、コーチの指示により動くのではなく、未完成ながら、自らプレーを選択し、ピッチで躍動する選手の姿がありました。
この子達が1年後どんな奇跡を見せてくれるのでしょうか。
子どもたちの成長を目の当たりにし、「岡田メソッド」は、「型にはめる」という言葉からイメージされる「教え込まれたサッカー」ではなく、「プレーする選手同士が、共通認識を持つために型を覚える」ということなんだと実感します。
また、たとえ日本中のチームの指導者が、岡田メソッドにより指導しても、当然、同じような指導になるわけでもありません。
それぞれのコーチが持つ知識や経験、人間性により岡田メソッドは深みをまし、融合し、色んな形に変化していくことで、様々な個性を持った自律したチームが誕生することでしょう。
息子のチームで行われている指導も、岡田メソッドがベースにあるようですが、指導するコーチ自身の経験やスキル、人としての魅力がメソッドと組み合わされることにより、異彩を放つものとなっています。
「日本のサッカーが本当に変わってしまうんじゃないか」
「岡田メソッド×自立を促すコーチ」で指導されている子どもたちのサッカーを見ていると、そんな期待に胸が膨らんでくるんです。
プロフィール
サッカー少年の子どもを持つ母
子どもたちをもっと笑顔にするためには大人が変わらないといけない…
本には大人が変わるヒントがたくさん散りばめられています。
大人の心を育む本をご紹介していきます。
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