大人になってから学ぶサッカーの本質とは

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オシムさんが語る日本サッカーの課題。「模倣は簡単ではない。本物のセンスが必要なうえに…」

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日本サッカーに大いなる貢献をしてくれた故、イビチャ・オシム氏の著書を読み返している。改めて読むと、非常に示唆的で、我々日本人の課題の本質をついているように思う。著書の一部を引用してご紹介させていただきたい。

 

日本人は、世界のトレンドをいちはやくキャッチし、戦術や戦略をコピーすることに熱心である。今世界のサッカーで何が起こっているかを熟知している。おそらくはヨーロッパの成功を模倣したいのだろう。みんなそれを望んでいる。

 

人間は、他人を羨むようにできている。特に、その模倣の対象がベストな人物であればなおさらのことである。そして模倣することによって、自らもベストに近づこうとする。練習、あるいは、そのベストな選手との接触を通じて、あるいは、試合や対戦を通じて。あるいは選手が海外のクラブと契約しプレーすることで経験値が交換され、選手は理想とするベストの選手に近づくことができる。

だが、サッカーにおいて模倣は簡単ではない。本物のセンスが必要なうえに、ゲームは複雑で、例えばバルセロナのサッカーを、そのまま日本人が実践することは不可能である。技術、メンタル、戦術、そしてあのようにコレクティブにプレーするための訓練がなければ、バルセロナに近づけない。つまり模倣のために必要なものをどう手にするかを、誰もが考えようとしていないように思える。

引用:考えよ! ――なぜ日本人はリスクを冒さないのか? | イビチャ・オシム

 

オシムさんは、この後に日本人のクリエイティビティに注目し、我々の可能性についても言及しているのですが、そのテーマは次回扱おうと思います。

 

この一節を読んで、私は指導者になりたての頃、当時高校サッカーに旋風を起こした滋賀県の野洲高校、その土台となったジュニアユースのセゾンフットボールクラブを見に行った時のことを思い出した。

セゾンの練習見学をしている時、何人かの指導者が同時に見ていたのだけれど、みんな「何をしているか」「どんなトレーニングをしているか」という形を一生懸命見ていることに違和感を感じていました。

私は「なぜ、このトレーニングをやるのか」「どんなコーチングをしていて、なにを伝えようとしているか」の指導者の声に注目していました。

 

方法ではなく、目的。

そこを深めることで、方法はいくらでもアレンジできるから、根幹になるものはなにかが当時の私の一番の関心事だったのです。

しかし、このように考える指導者は非常に少なかった。

その後、私は中南米の旅に出て、日本サッカー以外の価値観を知り、それを深めることでいろんなことがわかるようになってきたと思っています。

 

オシムさんのこの言葉は、我々日本人の本質をついているように思います。

我々は成功事例を模倣することに長けていて、それを正確に実践する器用さを持ち合わせていると思います。サッカーだけではなく、あらゆるものごとにおいて。

 

しかし、いくらヨーロッパのサッカーを模倣しても、南米のサッカーを模倣しても、彼らに追いつくことも、追い越すこともできないという事実にようやく気がついたのがこのオシムさんの言葉だった。

 

では、日本人の強みとはなにか?

日本人の強みを生かしたサッカーとはなにか?

次回以降、これらの問いについてより深ぼって考えていきたいと思います。

keikun028.hatenadiary.jp

考えよ!

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  • 作者:イビツァ・オシム
  • 出版社:角川書店
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オシムの伝言

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  • 出版社:みすず書房
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イビチャ・オシム 日本サッカーへの遺言。

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