はじめまして。
現在、北陸大学サッカー部にて学生コーチをしている小谷野拓夢(こやのひろむ)です。
1997年生まれの21歳です。
今回は私が、これまで日本サッカーを見てきた中で感じたことを書きたいと思います。ぜひ、最後までお読みください。
※この記事が書かれたのは2018年。2020年現在は福山シティFCの監督として活躍しています。こちらの記事もぜひご覧ください↓
ゲームモデルで地方創生。 福山シティFCの新たな挑戦 | footballista | フットボリスタ
(北陸大学サッカー部にてトップチームのコーチを務めている)
この記事のテーマはズバリ「日本サッカー育成年代で行われている理不尽な指導・根性論」についてです。
①はじめに
まず最初に質問です。
あなたの周りにこんなことをしている指導者はいませんか?
- 罰走
- 坊主
- 異常な上下関係の黙認・推奨
- 長時間の練習(3時間以上)
- 休日が全くない
- 「走り」を行い、連帯責任・入るまで終わらないルールを設ける
- その他理不尽な指導
どうでしょうか?
このような指導を受けてきた方は少なくないと思います。
断言します。
このような指導は選手の未来を壊します。
それだけでなく、人生に大きな悪影響を与えると考えています。
②日本サッカーの現状
つぎにこれまで私がサッカーに関わってきた中で、体験したことや人から聞いたこと、目撃したことを書きたいと思います。
2018年6月までプレイヤーとしてピッチに立ってました
(1) 罰走や「走り」を利用したマインドコントロール
先日こんなチームを見かけました。
試合に負けると指導者が「お前らは何もわかってない」と怒鳴り、近くにあった坂を30分以上走らせているのです。
そのチームは午後にもう1試合予定しているにもかかわらずです。とても心が痛みました。サッカーって「勝ちたい」とか「成長したい」などポジティブな理由でプレーするのが通常です。
しかし、「走り」によってコントロールされると、「走らないように頑張ろう」・「また走らされるのか」という恐怖に怯えながらプレーをすることになります。
そうなると、選手はサッカーをするのが楽しくなくなります。
かつての自分がそうでした。
練習後の走りのことを考えて、力をセーブすることもありました。
なぜなら、タイムに入らないと連帯責任で終わることがないからです。
また、「試合で負けたら走り」ということを常に考えながらプレーしていました。私は幸いに、サッカーを嫌いになりませんでしたがチームメイトの中にはサッカーが嫌いになり、チームを去ってく仲間もいました。
こういった走りによるマインドコントロールによって、サッカーから遠ざかる人を私は何人も見てきました。
これでも理不尽な「走り」をするべきでしょうか?
(2) 長時間の練習・休みのない日程
先日フットボリスタの記事でイタリアの育成年代について取り上げていました。
そこに書かれていたのは、「休日こそ最高の練習」「一回90分の練習」という言葉です。日本の育成年代は真逆ではないでしょうか?「休んだら下手になる」「長時間練習しないとうまくならない」という風に考えている指導者が多くいるように思います。
長時間の練習は、身体的に持たず体力をセーブすることになります。また集中力も保てず、練習効率は悪くなります。このようなデメリットがあるにも関わらず長時間の練習を行う指導者は、自ら能力のなさを露呈しているようなものです。
過去にプロサッカー選手を輩出し、今も某高校にて指導をしている方のチームでは、オフは年に数回・朝練と夜練は当たり前という状況だと耳にしました。また、選手にオフの予定を立てさせないために、一か月ごとの予定を出さず、前日に翌日の日程を発表するチームもあるそうです。
サッカーは人生の一部であるにもかかわらず、学生時代にサッカーしかやらせないような環境をつくる指導者は、選手の未来に対し責任をとれるのでしょうか?
(3)その他の理不尽な指導
その他の理不尽な指導として坊主があります。
特に多いのが、規則を破ったら坊主という謎のルールです。果たして坊主にしたら、規則を守るようになるのでしょうか?
私も過去に坊主にさせられたこともあります。その時私は規則を守っていました。
しかし、同学年の友人が規則を破ったとして連帯責任で坊主になりました。意味が分かりませんでしたが、従わないと試合に出れなくなるどころか練習にも参加させてもらえないでしょうから、他に選択肢がなかったです。
また、友人のチームでは監督の指示に忠実に従わなかったり、ミスを一回しただけで交代という方針をとるチームがあるそうです。たった一回トラップミスしただけで即交代させられ、何週間も試合に使ってもらえないそうです。また、ロングボールを蹴れという指示に一回でも背いたら、試合では使ってもらえないこともよくあるとか。
また上下関係が厳しすぎるチームもあるそうです。先輩が帰るまでグランドから帰れない・バスは席が空いていても補助席・先輩より先に水を飲めないなど、そういった環境のチームもあるそうです。
これまで書いたことはすべて事実です。
ここには書けないようなこともあります。このような理不尽な指導・根性論は正しいと思いますか?私はそう思いません。自分が身をもって知ったし、その指導のせいでサッカーをやめていった人を何人も見ているからです。
そして今もそういった指導の犠牲になっている選手がいると思うと本当に心が痛みます。
そして一番怖いのが、そういった指導を受けた選手が「正しい指導だ」と認識し、正当化することです。その選手が大人になった時、選手に同じことを繰り返す可能性もあります。そうなると負のスパイラルは止まりません。
このような現状を踏まえて私には何ができるでしょうか。
③私のビジョン
私は選手として凡人でした。
そんな私に大した影響力は、現在ありません。
しかし、「現在」です。
着実に力をつけ、必ず理不尽な指導・根性論を減らしていきたいと思います。
そのために、
①プロの監督を目指す
②自分が学んだ指導理論を他の指導者に提供(指導者養成)
③日本サッカーにおいて理想となるようなチームモデルづくり
これらをしていきたいと考えています。
私がこれらを達成する過程をSNSで発信していきます。
凡人が日本サッカーを変える姿を見守って下さい。
そして、今理不尽な指導に悩んでる選手や保護者の方・指導について悩みがある方は連絡ください。
できる限りで支援いたします。
「指導者は選手の未来に携わっている」ことを忘れずに日々の生活を送りたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
※この記事が書かれたのは2018年。2020年現在は福山シティFCの監督として活躍しています。こちらの記事もぜひご覧ください↓
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