サッカーの名門、滝川二高の特別コーチに就任した際のゲルト・エンゲルス氏の言葉
「プロも高校も同じ。まず指導者は、自分がサッカーを好きで楽しんでいるのを伝えることが大切だと思う。結局、選手たちだって、本当にサッカーが好きじゃないと、高いレベルには到達できないはずだからね」
当時、滝川二高の監督をしていた黒田氏(現チャイニーズタイペイ代表監督)にエンゲルス氏はこう言った。
「もし明日の練習が休みだと言ったら、絶対にこの子たちは全員喜ぶよ。実験してみましょうか?」
実際にエンゲルスが、練習がオフになることを告げると、生徒たちからは大歓声が湧き上がった。
「僕らはサッカーができないなんて言われたら、がっかりして落ち込んだものだよ。もしかすると、日本では義務と趣味のバランスが悪いのかもしれないね。プロになれる子なんて1%あとの99%の子供たちにとって、一番大切なのはサッカーを楽しむことじゃないか。僕は生徒たちに、サッカーの楽しさを知って、サッカーを生涯の遊びにして欲しいと思った。そうすれば彼らの子供たちもサッカーを楽しむ。そういう種を蒔いていかなければ、サッカーは広まっていかない。サッカーをするのを義務だと感じていたんじゃ、先生がいなくなった途端に、みんなサッカーを辞めてしまうよ」
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サッカーが義務化している部活、クラブ
学校は義務教育とされています。つまり学校は行かなければならないもの、教育は施さなければならないものとされています。行きたくなくても、受けたくなくてもいかなければならない、面白くても面白くなくても、楽しくても楽しくなくても行かなきゃいけないものとされているんですね。
そうなってしまっているサッカー部やサッカークラブって結構あるんじゃないでしょうか。好きでサッカーやってる子、上手くなりたくてしょうがなくて、サッカーが楽しくてしょうがなくてやってる子、どれくらいいるんでしょうか。
親にやれって言われているから、お金払ってるから行かなきゃいけないとか、義務教育の学校のような部活やクラブって結構多いのではないだろうか。
みんながやってるからとか、 同調圧力的なものが働いているケースも多そうだけれど。
サッカーは義務ではありません。
楽しくないなら辞めていいんです。
サッカーの楽しさを伝えること
日本にはサッカーの楽しさを伝えられる人が少ないのだと思います。
育成年代の現場を長年見てきて感じるのは、サッカーをストイックにやらせすぎて子どもの好奇心やノビシロを奪ってしまっているということです。
指導者や親が、目先の勝利に躍起になるがゆえに起こっている悲劇であり、根性優位の古い価値観を持つ大人が育成年代に多いのが原因なんだと思います。
日本のサッカー文化を育むために、まずはサッカーの楽しさを伝えられる大人が増えていかなければいけません。
サッカーの本質を追求する旅はつづく…
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