大人になってから学ぶサッカーの本質とは

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40歳のJリーガー安彦孝真が語る「日本サッカーの未来のためにできること」

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水戸ホーリーホックでプレーする安彦孝真(あびこ たかまさ)選手に話を聞いてきました。

 

安彦孝真といえば、40歳という年齢ですべての仕事を無料化してJリーガーを目指すという挑戦で話題になり「FOOT×BRAIN」にも出演、ご存知の方も多いと思います。

 

実は私、安彦さんがこの挑戦をする直前の2017年6月に新宿でお会いしていたのです。

当時、まだこの挑戦の話は具体的に進んでいませんでしたが、こんな話をしたのを覚えています。

 

日本サッカーの根源的な問題は「教育」!

もっと大人が「本質を見抜く力」「時代を見極める力」を持たないといけない…

 

 

その時の、安彦さんのこんな言葉が印象に残っています。

 

「子どもたちの指導に携わって感じるのは、自分が進化、成長しないと還元できなくなる。指導する人間がつまらなかったら彼らは動かないんだよね。」

 

そして2ヶ月後、安彦さんの挑戦は始まりました。

 

自分が進化する姿をみせることで、子どもたちに挑戦する勇気を与える

 

挑戦する男の背中はそう語っていました。

 

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「孤独との戦いだった…」と安彦さんは回想する。

 

応援してくれる人は何人もいてとても力になったけど、

実際やるのは自分。

若い奴らの何倍もやらないといけない。

身体も想像以上に厳しい。

正直、何度も挫けそうになるほど苦しかった。

本当に孤独との戦い。

自分との対話をひたすら続ける日々だった。

 

2018年1月。

水戸ホーリーホックに練習生として参加するチャンスを得て、ついに2018年3月31日に正式契約を果たした。

 

あの挑戦から一年。

念願のJリーガーになるという目的を果たした安彦さんに会いに水戸へ行ってきました。

 

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久しぶりにお会いした安彦さんは強く、優しいオーラを纏っていました。

 

それではインタビューの模様をお楽しみください。

 

ー若い選手たちとのトレーニングはどうですか?

いや〜、勉強になるよ。

やっぱり僕らが若い頃とは全然違うよね。

パラダイムシフトをすごく感じるし、やっぱり同じ土俵で生活することでよりリアルに体感してる。

時代の変化とともに生活習慣が変わっているということだよね。

僕らはやっぱりテレビの時代じゃない。

でも、若い子たちはテレビよりYouTube観るんだよね。

時間にも場所にも縛られない。

僕らテレビ世代はやっぱり、観たい番組に合わせて食事済ませたり、風呂入っといたりってタイムマネジメントが普通なんだけど若い子たちはそういう感覚ないよね。

コミュニケーションに関してもそう。

昔は家に電話して親が出て、「〇〇くんいますか?」ってやってたけど、今はLINEで気軽にコミュニケーションできちゃう。

つまり、電話する時間とか親が出た時に無礼がないように話そうとか色々あったわけじゃない。

でも、今はすごく気軽になっていて、それが普通になっている。

それを大人が礼儀がなってないとかいうけどさ、単純に時代が変わっているんだと思うんだよね。

そういう若い子たちの行動習慣を理解していない大人が的外れな問題提起をしている感じはする。

 

ー確かにそれは感じます。

時代の変化に大人がついていけていないというのはすごく感じますね。

本当にそうだと思うよ。

テクノロジーの進化によって人々の生活習慣が変化しているということをもっと大人が理解しないといけない。

今の学校制度だって、80年代の社会に適応するためのものだったりするじゃない。

でも、もうそれじゃ対応しきれなくなってるということだよね。

体罰の問題とかは、古い価値観の中で生きる大人が子どもを従属させようとするためにやってるんだろうけど、もうそんなことやってたらダメ。

そもそも人としてやってはいけないことだし、今の社会ってどんどん新しいものが生まれて、新しい価値観が生まれてるわけじゃない。

要は正解が変化しつづける世の中なのに、従属させようとする価値観がもう終わってるんだよね。

学校も早く仕組みを変えなきゃいけないと思う。

  

ー本当におっしゃる通りだと思います。そういうサッカー以外の大切な部分を発信する安彦さんの背中をみて刺激を受けている若者はたくさんいますよ。

でも、本当に動かしたいのは同世代の40代。

彼らに挑戦を促したい。

今は人生100年時代。

40代なんてまだまだ若いということなんだよね。

影響力のある40代が変われば、若い子たちはもっと動きやすくなるはず。

進化し続けることの大切さはこれからも伝えていきたい。

 

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Jリーグの課題ってなんだと思います?

個人的にはスナップマートを創業したえとみほさんが栃木SCに行って改革を促す発信をしているように、安彦さんも選手という立場で様々な発信をされているので注目してます。

やっぱりJクラブがより戦略的に独自性のあるブランディングと発信をしていかないと難しいと思う。

やりようはいくらでもあると思う。

選手たちがSNSで影響力を持てるようにブランディングしていけば良い。

SNS上では不用意な発信が炎上してブランドに傷がつくリスクを恐れて規制してしまうけれど、規制するんじゃなくてSNSの発信の仕方を教育すれば良い。

選手がそれぞれ上手に発信してブランディングできればクラブのイメージアップに繋がってシナジーが生まれる。

間違いなくそれは武器になる。

選手のセカンドキャリアの問題も、SNSで影響力があることによってビジネスがしやすくなるでしょ。 

 

ーそう思います。

プロサッカー選手というブランドを活かして発信力を磨くことはとても大切な戦略ですね。もう一つ聞いておきたいんですが、安彦さんの行動の源泉ってなんですか?

自分に対する劣等感、コンプレックス。

社会の不条理に対する怒りが原動力になっているんだよね。

中学生の時、サッカー部の部長だったんだけど、自分はそこまで上手くなくて、でも熱いやつだったんだよね。

それがいじめられる原因だったのかもしれないんだけど、クラスの全員に無視されたことがあった。

サッカー部の仲間が救ってくれたんだけど、

その時にはじめてコンプレックスを感じたんだよね。

それが原体験。


あと、教育に携わって感じた怒りも大きい。

さっきも話したけど、暴力問題を根絶するには、どうすれば良いかってすごく考えるし何かアクションを起こしたいと思っているよ。

 

ーなるほど。共感することばかりです。

サッカーのトレーニングもすごく大変だと思うんですが、それ以外にもSNSやメディアでも発信されてます。人の行動を促すために意識してることってありますか?

自分の周りの3メートルを変えることを意識してる。

身近な人に影響を与え続けていけば、影響された人がまた近しい人に影響を与えて…という広がりが出てくると思う。

やっぱり距離が近いほど熱量は伝わりやすいからね。

 

人が幸せだって思える瞬間って、自分のうちなるものを表現できた時なんだよね。
自分の中にあるものを、表現しようとするためには自分と向き合わないといけない。

でも、多くの人が自分と向き合う時間が足りてないように思う。

孤独ってネガティブに捉えられがちだけど、とっても大切。

孤独の裏側には唯一無二の自分が隠れてる。

すごく苦しみをともなうけどね。

 

今回の挑戦で改めてわかったけど、やればやるほど孤独になる。
没頭している瞬間は孤独しかないけど、俯瞰してみるとみんなが見てくれていることに気がつけるんだよね。

 

若い子たちには孤独を恐れないで欲しいし、孤独の大切さを知ってほしいと思うよ。

 

安彦さんのインタビューを終えて…

安彦さんはこの不可能と言われた挑戦を通じて、情熱の大切さと、変化することの楽しさ、行動することの素晴らしさを伝えてくれました。

 

変化することを恐れる必要はない。

楽しめば良いと。

 

時代は常に変化し続けているということ。

私たちも時代と共に変化しなければならないのだと改めて思いました。

 

日本サッカーの未来のために、まずは私たちが変化していくことが大切なんですね。 

 

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サッカーの本質を追求する旅はつづく…

 

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