昨シーズン、栃木SCで現役生活を終えた菅和範さん。
キャプテンとしてチームに貢献した菅選手にキャプテンとはなにか、その役割について話を聞きました。
(取材日:2020/12某日)
ーー現役生活お疲れ様でした。早速キャプテンとはなにかについて色々と聞かせてください。最後は栃木SCでキャプテンとしてチームに貢献したわけですが、やっぱりプレッシャーとかあって大変でしたよね?
プレッシャーは感じませんでしたね。キャプテンをやらせてもらえることは誇りでした。やらせてもらえて本当に感謝しかなかったです。自分がチームのためにできることをやりきろうと、ただそれだけの想いで一生懸命やりました。
ーーキャプテンとしてどんなことを意識してたのでしょうか?
人が嫌がることを率先してやるように意識していました。重要なのはキャプテンの存在でチームが強くなること、みんなのパフォーマンスが上がることだと思うんです。
プジョルのような強烈なリーダーシップがあって、背中で引っ張れる闘将がいても良いですし、逆にリーダーシップがなくても、その存在でみんなの力が発揮されて、チームが強くなれば良いと思っています。
最後のシーズンは、キャプテンでありながらピッチに立つ機会はあまりなかったんです。でも、キャプテンとしてチームのポテンシャルを引き出すために、自分自身の姿勢は見せることができたのかなと思っています。僕は試合に出てませんでしたがチームの雰囲気は最高でした。
僕の影響がどこまであったかはわかりませんが、チームメイトがメディアでチームの雰囲気がすごく良いという話をしているのを何度も見ましたし、実際とてもよいチームになったんですよ。
キャプテンの存在がチーム力を高める
ーー試合に出てないのに、チーム力が高まるってすごいことだと思います。どんなアプローチをしたんですか?
僕が試合に出てないからこそ、試合に出てれない選手たちのフォローもできたと思います。彼らを押し上げることはチームのボトムを上げることにも繋がります。
練習前後の時間にも、自分からチームメイトに話かけに行ってました。
「最近どうなん?」「調子どう?」って、いろんな選手に声かけて、話を聞いて、みんなの状況を知るようにしてました。そういう些細なコミュニケーションてすごく大事なんですよ。
あとは、35歳の自分がトレーニングでも、若手よりがむしゃらに走って必死にプレーしました。そういう姿勢を見せ続けることって、刺激になると思うんです。
自分らしいキャプテンシーを持つこと
これまでのサッカー人生で、たくさんのキャプテンを見てきましたが、どんなキャプテンもそれぞれのキャプテンシーを持っていました。
彼らの真似事をしても、自分らしくない役割を演じることになるので、いつか必ずボロが出てしまいます。自分だからこそ持てるキャプテンシーを表現しようと思いました。
選手たちの個性も昔より多様化しているというか、いや、本当は昔からそれぞれ個性があったはずですが、体育会系という世間の目というか、そういう大きな括りが個別性に目を向けにくい状況を作っていたように感じます。サッカーやるやつはみんな体育会系という感じで、でも今は体育会系のやつもいればそうじゃない色んな個性を持った選手が理解されやすくなったように思います。
キャプテンはそんな多様な個性が集まるチームを、そこにいる一人ひとりをよく知る必要があると思います。こうして振り返ると、やっぱり僕は人が好きだったんだなと思います。
自分にできることって、まずは大好きなメンバー一人ひとりとのコミュニケーション、そしてチームへの想い、本気で今を生きるということを表現し続けることだったように思います。自分らしく。