ドイツの育成年代に携わる中野吉之伴さんの著書が素晴らしい。
サッカーに携わる全ての大人に読んでいただきたい一冊です。
日本の育成年代のサッカー文化を育んでいくためのヒントが満載です。
内容の一部を抜粋してご紹介させていただきます。
そもそもサッカーの目的はなんだろう?
サッカーというスポーツは相手のゴールを狙い、自分のゴールを守ることが目的であり、それが出発点。ですから、シュートへの意欲が何よりも大事なのです。それなのにシュートを外した子どもに対して、「なんで外したんだ!」とか「ほかにフリーの子がいるのになんで打つんだ!」などと否定的な言葉を投げかけたら、その子は次にまたシュートを打とうと思うでしょうか。
いつもみすをどやされていたら、誰でもミスをすることが怖くなってしまいます。すると、「ミスをして怒られるくらいなら打たない方がいいかもしれない」「味方にパスをすれば怒られないかもしれない」と、ゴールから遠ざかるプレーばかりを選択するようになってしまうでしょう。
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少年サッカーの大会に足を運ぶと、まさに子どものプレーに対する否定的な言葉をたくさん耳にします。ひどい場合には罵声といっても差し支えない声が響き渡ります。
もう何十年も前からこの光景は多くの現場で変わりません。
世界のサッカーは進化しているのに日本の育成年代は時間が止まっているかのような印象です。中野吉之助さんが言うように大切なのは、子どもの意欲を育むことなのです。
枠に入れば、どんなものでも「ナイスシュート」
子どもを後ろ向きな姿勢にしないためにも、「シュートを打ちたい」という気持ちを何よりも大事にしてあげなければなりません。それには、何度でもシュートにチャレンジできるトレーニングを用意してあげることが重要です。ゴールを使ったトレーニングを増やし、一度ミスをしてもすぐに次のチャレンジができるようにする。そして、どんなシュートでもゴールが決まったら、「ナイスシュート!」と声をかけてあげましょう。
サッカーの目的はゴールです。
そのためにはシュートを打たなければいけない。
最初はうまくいかないけれど、なんどもチャレンジしていくうちに少しづつ上手くなっていきます。
だからこそ、子どもに対する声かけ、投げかける言葉は大切にしなければいけません。
残念ながら今の日本の育成年代の多くの現場では、子どもの意欲を削いでしまうような声をかけてしまう大人が多いのが現状です。
まずはこの現状を変えていかなければなりません。
指導者が子どもにサッカーを指導する目的はなんでしょうか?
子どもたちを指導者の言いなりにすることでは決してありません。
好奇心を刺激して、主体性を育んでいくことです。
それができなければ本当の意味でサッカーは上手くなっていきません。
サッカーの本質を追求する旅はつづく…