ヴァンフォーレ八ヶ岳の代表である田畑さんとお会いする機会を得た。
前回、その田畑さんが綴るブログ記事のご紹介しました。
今回は田畑さんに触れて感じたことを書いておきたいと思います。
田畑さんとの出会いはスエルテでコーチをやっていた時、私がまだ大学生の時の合宿だった。宿泊先のペンションのオーナーであり、地元の少年サッカークラブの代表だった。自然豊かな場所で日が暮れるまでサッカーをし、夜は我々コーチたちのサッカー談義に混ざってくれる。真夜中まで熱い話を聞かせてくれたのを覚えている。なんて贅沢な時間だったのだろうと思う。
あれから約10年。
まさかこんな都会の真ん中で田畑さんとお会いできる日がくるとは夢にも思わなかった。
この日、4時間以上もお話を聞いたのだけれど、本当にこの時間は私の財産です。
ほんの少しだけ、田畑さんが語ったことを紹介しようと思う。
山のように大きな人間を育んだのは挑戦者の心
田畑さんは20代半ばで山梨県の八ヶ岳へ移住し、ペンション経営をしながら子供たちにサッカーを指導してきた。20代の若者が相手にするお客様の多くは都会の経営者など人生の大先輩たちだったという。ここで怯まずに貪欲に学んだことが大きかったのだそうだ。そして当時はサッカークラブなどなかった八ヶ岳でチームをつくり、チームを育てていく話… 壮絶な苦労を積み重ねてこられたのだ。
田畑さんはこういう話を笑顔でしてしまう本当に大きな方なのだ。
田畑さんの包容力、豊かな感性、逞しい精神というのは自分の人生に挑戦し続けて育まれたのだと感じた。この八ヶ岳の大地で。そして子供たちにその”生き様”を伝えている。
一生付き合う仲間になる子供たち
田畑さんは言う。
「うちに入ってくる子供は各学年15人と決めています。上手いとか、下手とかは関係なく、その子が内に秘めている気持ち。そこを観ます。ひとりひとりと一生付き合う仲間になる子供たち。私はそう思ってます。だからこそ彼らとは人としての付き合いがなにより大切なんです。」
この言葉に私は一瞬にして惹かれてしまった。
子供との接し方、付き合い方でその人の人間性はわかる。私が目にしてきた育成年代の指導者の多くは子供と真剣に向き合っているとはとても思えない人たちばかりだった。
子供の心や気持ちなど見ようともせず、自分の価値観をひたすら押し付ける指導者ばかりだった。
きっとそんな現状に疲れ切っている多くのコーチたちがいると思う。
私はそんなコーチたちに言わせて頂きたい。
八ヶ岳にいけ!と。
田畑さんに触れろ!と。
サッカーノート
僕はサッカーノートを大切にしてるんです。
それでサッカーノートにはサッカー以外のことを書いてくれることが大事。
サッカーノートに書いてあることは一切口外しないというふうに決めてるんです。
その子が何に悩んで、何に苦しんでるかなんて練習の時間だけじゃ決してわからない。
もしかしたら先生にも親にも言えないことがあるかもしれない。でも私になら、サッカーノートになら書けることがあるかもしれない。
子供たちと信頼関係を築くということ
田畑さんは決して選手を子供扱いしないだろう。人間と人間の関係性をなにより大事にする人だ。子供がピッチに本当の意味で自分の足で立てるようになるまで、見守ることができる人なのだ。子供を信じることができる。だからこそ信頼が生まれ、愛が伝わるのだ。
田畑さんに触れて改めて感じたことは、ただサッカーが好きだからとか、教えるのが得意だからとか、プロサッカー選手だったからとか、海外で指導者ライセンスとったからとか、そんなことどうでもよくて。
そんなもので指導者は務まらなくて、本当に大事にしなきゃいけないのは、人の心をいかに引き出すか、いかに育むかということ。
サッカーをみっちり教わった子たちよりも、サッカーを自分で感じ、自分で考え、自分で自分をつくる土台を培った八ヶ岳の子たちの方が太く豊かな心が育つ。
田畑さんは言った。
相手チームの親でさえ応援してくれるようなサッカーをしよう。
サッカーの本質を追求する旅はつづく…
MAIL : keikun028@gmail.com
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