スイスでプレーする飯野選手の記事、後編は「ドイツで学んだ本場のサッカー文化」についてになります。
前編はこちら↓
海外に出なければ感じることのできない貴重な経験談。
日本サッカー発展のヒントが散りばめられている内容です。
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ドイツのサッカー文化に学ぶべきこと
僕がドイツで衝撃を受けたことは、アマチュアリーグの選手の移籍です。
所属していたチームは、ドイツ6部のチームだったのですが、監督、選手たちはクラブから固定給と勝利給をもらっていました。
各々どれくらい給料をもらっていたかは、お互いに知りませんでしたが、僕のチームが所属していたチームのリーグは、他のリーグと比べても経済的に潤っているチームも多いらしく、元々ブンデスリーガでやっていた選手が、プロサッカー選手を引退して本職の仕事と小遣い稼ぎでサッカーを続ける選手もいました。
そのような環境で選手達はサッカーを続けていく上で、様々なオプションがあるように感じました。
1つは、給与です。
ある6部のチームでのことです。
巷で有名になっていた若干19歳の選手がいたのですが、なぜか上のカテゴリーからのオファーを蹴って、7部の格下のチームに行きました。
噂によるとアマチュアでは考えられない額のお金を一括でもらったとのこと。
このようにアマチュアのクラブながら選手に小遣いを与えられるチームが沢山ありました。
良いか悪いかは別として、サッカーがビジネスになっていると感じました。
2つ目は、距離です。
アマチュアリーグの選手達は、仕事、または学業を本業としている傍、サッカークラブに所属している選手も多く、移動時間というのは選手達にとっても大事な要素になってきます。
これも、各街にサッカークラブがあるドイツだからこそ生まれる選択肢なのかなと思います。
3つ目は、満足度です。
例えば、自分の大好きな地元クラブで長年サッカーやっている人などもいますが、選手によっては、もっと上のカテゴリーのチームでやりたい、試合にもっと出場したいなど、これは国に関係なくサッカー選手であれば当然持つであろう感情だと思います。
しかし、日本と比較して違うなと思ったことがあります。
日本では「置かれた場所で咲け」という言葉がありますが、僕は所属したチームで試合に出られなければ、出れるように頑張るという考え方を持っています。
ところがドイツの育成年代の選手は、試合に出られないなどの不満から、他のチームに移籍するというのを頻繁に見てきました。
そして移籍先で、活躍選手達も沢山いました。
ドイツには選択肢が沢山あって、育成年代の時から移籍期間であれば、自由に選ぶことができるのです。
実際に移籍が頻繁に起こるので、結果的に選手達がベストな環境でサッカーが続けられるように思いました。
中学校から大学2年まで同じサッカークラブに所属していた僕にとっては、驚きで、部活に所属している選手であれば、大体の選手は3年間同じチームでプレーすると思います。
そういった意味では、より満足度が高い状態で選手達がサッカーができる環境作りができるとより日本のサッカー界が盛り上がるのかなとも思います。
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