大人になってから学ぶサッカーの本質とは

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南米サッカーと日本サッカーは別の競技である

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サッカーは“駆け引き”のゲーム

中南米グアテマラを旅していた時、近所の公園で毎週ストリートサッカーが行われていました。

私も現地で仲良くなった仲間にお願いして、何度か混ぜてもらっていました。

そこでは、小さい子どもから大人まで一緒になってプレーするのです。

ボール扱いの巧さはそれほどでもないけれど、ボールを奪われないためのあらゆる工夫、駆け引きが巧みなのです。

パスを出すフリ、ミスしたフリ、シュートするフリ、相手を出し抜くための駆け引きが常に行われるのです。

サッカーは相手をどう騙すか、どのように逆をつくかという駆け引きのゲームなんだという認識を彼らは持っているのです。

 

日本に帰国して、南米出身者で構成されたチームでプレーする機会がありますが、そこでも同様です。

彼らはボール扱いが上手いことをそこまで評価しません。

一番重要なのはゴールへの強い気持ち、勝利への執念です。

その次に重要視するのは駆け引きのともなった技術です。

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ボール扱いが上手いことが評価される日本

日本ではボール扱いが上手いことが一番重要視されます。

ボールを上手に扱えるようにならないとサッカーは楽しめないと、ボールタッチの練習やリフティングの練習をこれでもかと行います。

結果的にボール扱いが上手い選手は世界的に見ても多いと思います。

しかし、ボール扱いが上手いことと、サッカーが上手いことは異なるのです。

日本ではカタチが重要視されます。

綺麗にボールが展開されること、サイドにボールを展開し、ボランチにボールを入れて空いている逆サイドへ綺麗に展開すること。そして相手の手薄なところから攻めていくというセオリーのもとプレーすることが正解だと教わります。

そのために上手にボールを運ぶ技術が求められるのです。

一番大切なのはボール扱いが上手いこと、ミスなく上手くプレーすること。

次に重要視されるのは綺麗にプレーすること。

南米とは逆なんですね。

サッカーは感情表現のゲーム

サッカーは感情表現のゲームであるというのは南米では常識です。

彼らは感情のゲームであるという意識が前提にあるため、過激なプレーに対して寛容です。

日本では感情を表現することは、そもそも醜いとされています。清く正しくプレーすることが美しいという意識が強いのだと思います。

そのため試合中も感情表現を控えてしまう。

スポーツマンシップという面ではメリットがあるかもしれません。

しかし、自分のポテンシャルを100パーセント以上表現する力は圧倒的に弱い。

中田英寿が以前こんな言葉を残しました。

「日本人は自分の100パーセントを出す術を知らない」

これは日本が世界と戦う上で大きなデメリットなのではないでしょうか。

海外でプレーした経験のある選手は皆感じることだと思います。

南米サッカーと日本サッカーは別の競技

サッカーの捉え方が大きく違うのは、“駆け引き”があるかないかだと思います。

日本では「自分たちのサッカー」という言葉がよく使われますが、そこには相手が不在なのです。

サッカーは相手との戦いなのです。

勝利するために相手と駆け引きしプレーする南米と、自分たちのサッカーをするためにプレーする日本はまるで別の競技をしているのではないかと感じることが多い。

日本サッカー協会はハリルさんを解任し、日本人監督を後任にしました。

そして日本らしいサッカーでワールドカップを戦うと言いました。

「自分たちのサッカー」で戦うということになるのだけれど、この日本サッカーの特性を踏まえた上でどこまで世界と戦えるのか興味深いところです。

 

サッカーの面白さは“駆け引き”

私は日本サッカーが嫌いなのではなくむしろノビシロだらけだと思います。

このように書くと、「日本が嫌なら外国でサッカーしたらいいじゃないか」と言われてしまうのですが、本当に伝えたいことはサッカーの本質的な面白さ、魅力なのです。

サッカーの一番の面白さは“駆け引き”なのです。

そこには独自性、個性が出ます。

それぞれの感性が反映されるものです。

サッカーで最も大切なのは駆け引きをともなった技術です。

そこが日本は圧倒的に欠けていると思います。

日本代表を観ても、育成年代のサッカーを観ても…

 

 

サッカーの本質を追求する旅はつづく…

 

 

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