大人になってから学ぶサッカーの本質とは

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応援禁止のJリーグ、今だからこそ「音」で楽しむ観戦のススメ

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COVID-19の感染防止のため、

 

・入場者数制限
・声を出しての応援禁止

 

など、厳しいルールを設けながら実施されているJリーグ。

 

 

Jリーグは世界的に見ても有数のファンの歌うチャント(応援歌)が魅力的なリーグであり、テレビ観戦でも楽しみにしている方が多いだろう。

 

サポーターのチャントがない… となったときに、今のJリーグを見ても盛り上がりに欠ける、と思われるかもしれない。

 

 

だが、元選手の筆者からすると現在の中継は非常に面白い物である。

 

普段と違う状況では、普段見えない物が露わになっている。

 

そこで今回は、今の時期にしか無い楽しみ方を皆様にお教えしたい。

 

この記事を読んでからJリーグを見ると、違った楽しみに気付けると思う。

 

 

 

物理的な音で楽しむJリーグ

 

 

 

声を出しての応援が禁止されたら何が聞こえるのか。

 

 

それは、選手や監督から発せられる

 

「音」

 

である。

普段も耳を澄ませば聞こえないことはないが、現在の状況ほど鮮明にピッチ上の音が聞ける機会は実はかなりレアだ。

 

 

 

ピッチには様々な音が溢れている。

 

 

例えば、体と体がぶつかるときの音。

 

かなり近い距離で生観戦したことある人しか聞いたことが無いかもしれないが、かなり鈍い音がする。

 

誤って相手の足を蹴ったときの音なんかもう、顔を覆いたくなるような音だ。音だけなのに痛い音。

 

テレビ観戦をしているとよく

 

「そんな接触で転ぶな!」

「痛くないだろ!」

 

というヤジを飛ばす人を見かける。

 

だが接触音を聞けば分かる。

 

鍛え上げられたプロの身体同士がぶつかれば、相応のエネルギーだ。

それを感じることの出来る要素の一つが「音」なのである。

 

 

あるいはシュートを打つときの音。

鋭くボールの芯を捉えたとき、低く唸るような音がする。

 

ポンッとかドカッとかじゃない。

 

バゥンというか。

 

上手く言葉に出来ない。

 

出来たら苦労しないし、感動もしない。

 

 

とんでもないスピードのミドルシュートが決まったら、改めて映像を流して欲しい。

筆者が言わんとすることが理解していただけるはずである。

 

 

参考までに、湘南の石原直樹選手のシュートシーンがこちら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「声」で楽しむJリーグ

 

 

 

試合の中継で、アップにされた選手が何かを叫んでいる様子はよく見かけるだろう。

しかし何を言っているのか、聞き取れることはほぼ無かった、今まで。

 

 

筆者はピッチの上にいたから分かるが、とんでも無い言葉の量を喋り続けるのがサッカーという競技だ。

 

それは、あれだけ広いピッチを11人という人数で戦うために意思疎通を図るためである。

更に言えば、守備陣ほどよく喋ることが多い。

後ろからの方が見える物が多いため、それを前線へ伝達する役目を担うのだ。

 

普段は大声援の中、それでも必死に情報を伝えようとしている選手達。

 

今のように選手の声がはっきりと聞こえる状況になると、声の大きさに感動する。

 

象徴的だな、と思ったのがつい先日Jリーグデビューを果たしたFC東京の波多野 豪選手だ。

 

初出場とは思えない堂々としたコーチングはピッチ全体に大きく響いていた。

まだこの試合をご覧になっていない方は是非フルマッチを見て欲しい。

 

 

ハイライトはこちら。

40秒あたりに、大きく「クリア!」と叫んでいる様子が入っている。

 

 

 

 

 

 

何故大体のGKは声がガラガラなのか、よく分かると思う。

 

 

また、サポーターならばチームを鼓舞する声かけにも注目してみて欲しい。

 

「集中しろ!」であるとか「切り替えろ!」であるとか、頑張るべき時に味方を頑張らせる存在。

 

誰が、どんなタイミングで鼓舞しているか観察すると、チームにより愛着がわくだろう。

 

それは試合開始直後かもしれないし、ロスタイムかもしれない。

何回もコーナーキックが続く難しい場面かもしれない。

 

選手が鼓舞するというのは、それだけ重要な場面だということだ。

なぜこのタイミングで鼓舞なのか、と考えを深めてみても良いだろう。

 

 

 

そしてより深くサッカーを知りたい人は、監督やコーチの指示に耳を傾けてみよう。

 

ピッチの上にどんな問題が起きているのか。

それをどのように解決しようとしているのか。

 

日本トップクラスの指導者の言動、指導が全て拾える状況はごくごく珍しい。

 

一つ一つ分解してみることで、勉強になる。

自分の糧となる教材が垂れ流しなのだ、活用しない手は無い。

 

 

 

 

「音」が中継で楽しめる状況

 

 

 

こういった「音」が伝わってくるのは、今までは現場のみだった。

トレーニングマッチであるとか、日頃のチームトレーニングであるとか。

 

そしてそういった場に観戦に向かうのは、コアサポと呼ばれる熱心なファンが中心である。

 

だが、今は中継を見ることで自宅にいながら体感することが出来る。

 

 

COVID-19はJリーグにとって大きな損失をもたらしたことは否定できない。

興行収入、試合数、トレーニングの量と質・・・

犠牲になった物は決して少なくない。

 

 

だが、それを嘆いても何も変わらない。

 

だとしたら今しか無いこの状況を開き直って楽しむのも一つサッカーの関わり方としてどうだろうか。

 

 

普段の大声援に囲まれたJリーグとは違うものが見れる。

 

そこにあるのはチームとチームのぶつかり合い。

普段隠れている、サッカーの勝負の面が色濃く出る。胸焼けするほどに濃く。

 

当然だ、彼らは生活を懸けて戦っているのだ。

勝つため、生き残るために必死に戦う。

 

だから指示も叫ぶし、味方を鼓舞する。

闘争心と意地がむき出しになる、それがサッカーの発する大人のである。

 

 

そんな一面が見れる貴重な機会。

 

皆様も是非、「音」を体感する観戦を楽しんでみて欲しい。

 

筆者ブログの紹介 

筆者:山田有宇太 (@Grappler_yamayu) | Twitter

筆者はこのように、プレーを言語化する取り組みを現役時代から継続して行ってきた。

その一つの集大成として、中高生に向けたブログ

 

「読むサッカーの上達サイト~中学生、高校生へ向けて~」

 

reading-football.work

 

というサイトを運営している。

 

 

中高生に限らず、

 

・もっとサッカーを楽しみたい

・サッカーを深く知りたい

・選手がどんなことを考えているのか知りたい

・指導の参考にしたい

 

といった様々な方のご参考にもなればと思う。

 

 

もし興味があれば、こちらも覗いていただければ幸いだ。 

 

 

今日も、Jリーグ日和。 - ひらちゃん流マニアックなサッカーの楽しみ方 -

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  • 作者:平畠 啓史
  • 出版社:ワニブックス
  • 発売日: 2019年09月11日頃