大人になってから学ぶサッカーの本質とは

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意外と知られていない、キーパーの立ち上がる技術を鹿島・沖悠哉から学ぼう

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(引用・・・Jリーグ公式Twitterより)

  

 

サッカーで最も目立つポジション、それはどこだろうか。

 

様々な意見があるが、筆者はゴールキーパーだと思っている。

 

 

一人だけ服が違う、手を使える。

 

 

この時点で目立つこと間違い無しだ。

 

 

 

そんなキーパーの花形プレーと言えば、やはりスーパーセーブだ。

 

全身を投げ出し横っ飛びしながら必死にシュートを弾く様子はかっこいいしフォトジェニックだ。

 

 

そんなキーパーには、あまり知られていない地味な技術がある。

 

それは

 

「立ち上がる速さ」

 

というもの。

言葉だけ聞いてもピンと来ない方も多いだろう。

 

 

そこで今回は、鹿島アントラーズ所属の沖悠哉選手のセービングを題材に、この技術について説明していこうと思う。

 

 

 

プレーの映像

 

 

百聞は一見にしかず、こちらをご覧いただきたい。

 

 

 

 

 

Jリーグ第12節、鹿島vsG大阪での一幕だ。

 

 

鹿島の守備陣が裏を取られたところから映像は始まっている。

 

高めのポジションを取っていた沖は、下げながら角度を修正。

その後のサイドチェンジに対して改めてポジショニングを整える。

 

 

そこから上がったクロスはドフリーの小野瀬へ。

 

ここから2連続のセーブが起こる。

 

 

 

一つ目のセーブ

 

 

小野瀬にボールが渡る瞬間、数センチだけポジションを修正し万全の体制でシュートを待ち構える沖。

 

股下を抜けるコースへと向かったシュートだったが、咄嗟に足を崩すことでブロックに成功する。

 

この「咄嗟に足を崩す」という行為は簡単ではない。

 

良い準備とポジショニングが生み出した好セーブである。

 

 

 

だが当然、足を崩してしまった以上、後ろに尻をついた状態になってしまう。

 

 

 

起き上がる動作

 

 

この時、沖は体を支えるべく両手を後ろについた。

 

そして手を置き換えること無く、そのまま立ち上がるための土台として利用している。

右足から膝下を畳み、地面を掴まんとした。

 

この一連の動作、非常にスムーズである。

なにより無駄な動作が無い。

 

最小限の手数で起き上がろうとする良いプレーだ。

慣れていない人であれば足を踏み換え手を置き直し・・・と多大な時間を要する。

 

もし興味がある方は実際にやってみて欲しい。

後ろに尻餅をついた状態から素早く立ち上がることは難しいのが実感できると思う。

 

 

 

というように沖の動作は素晴らしかった。

 

惜しむらくは完全に立ち上がる直前、左足が地面を掴まなかったこと。

左足が折れたまま体重が寄るのを支えきれず、僅かに傾いでしまった点だ。

 

 

この少しの動作の狂いが次のセービングへと影響を与える。

 

 

 

二つ目のセーブ

 

 

体勢を僅かに崩してしまった沖だが、再びシュートを打たれることを予測し無理矢理体勢を作り直している。

 

結果きちんとシュートを正面で迎え入れることに成功したが、キャッチすることは叶わなかった。

 

沖の体勢はキャッチングを目指していたが、無理矢理体勢を作った代償として体が浮き上がってしまっている。

ボールは低い弾道で飛んできたがその高さまで体を下げることが出来ず、弾いてしまったと筆者は見ている。

 

 

 

端から見たら至近距離からの厳しいシュートを二本続けて止めた好プレーだ。

 

だが当の沖本人は、少し首を傾けた。

まるで悔しがるかのように。

 

 

おそらく本人には分かっていたのだろう。

セービングでは無く起き上がる部分にミスが生じたことが。

 

 

 

意外に知られていないGKトレーニング

 

 

これは筆者が選手を経験したからこそ知っているのかもしれないが、キーパーというのは本当に様々なシチュエーションを想定してトレーニングを構築している。

 

左右に大きく振られ、動きながらシュートに対応する練習。

 

コーナーキックをパンチングで逃れた直後に再び対応する練習。

 

 

一つ一つ細かく試合に起こりうる状況を再現する。

 

 

その中には当然、連続したセーブも含まれている。

 

二本続けて止めるトレーニングもあれば、倒れた状態からスタート、すぐ立ち上がって即セーブという起き上がりにフォーカスしたトレーニングも存在する。

 

 

 

今回の沖のプレー。

 

立ち上がる動作自体は非常にスムーズであり、体勢を崩しながらもきちんと二本目をセーブしたことからも能力の高さがうかがえる。

 

二本とも事前の準備が非常に良い。

基礎能力の高さと言って良いだろう。

 

 

だからこそ本人も体勢が崩れた点が悔しかったのでは無いだろうか。

 

 

二本続けてピンチ、なんて状況はそう頻繁に来るものではない。

 

だがキーパーはそれに備え、常にトレーニングを重ねているのだ。

 

 

今後キーパーの好守備が見られたら、是非足下に注目していただきたい。

また、現地で観戦される方はキーパーのウォーミングアップにも目を向けてみて欲しい。

とても地味なポイントではあるが、キーパーの生命線とも言える

「フットワーク」と呼ばれる技術だ。

 

 

日頃苛め抜いている肉体が、どんな動きをしてシュートを止めようとするのか。

どんな状況を想定して取り組んでいるのか。

キーパーというポジションの奥深さが垣間見えるはずだ。

 

 

 

他のプレーの完成度が高かったからこそ、次は完璧なリカバリーをする沖選手を見てみたい。

 

そう思えるような能力の高さをうかがわせる1シーンだった。

 

 

 

筆者ブログの紹介 

筆者:山田有宇太 (@Grappler_yamayu) | Twitter

筆者はこのように、プレーを言語化する取り組みを現役時代から継続して行ってきた。

その一つの集大成として、中高生に向けたブログ

 

「読むサッカーの上達サイト~中学生、高校生へ向けて~」

 

reading-football.work

 

というサイトを運営している。

 

 

中高生に限らず、

 

・もっとサッカーを楽しみたい

・サッカーを深く知りたい

・選手がどんなことを考えているのか知りたい

・指導の参考にしたい

 

といった様々な方のご参考にもなればと思う。

 

 

もし興味があれば、こちらも覗いていただければ幸いだ。 

 

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