日が暮れるまでボールを追いかけたあの日、私たちは夢中でサッカーを楽しんでいた。暗くなっても、親が迎えに来るまで夢中で楽しんだサッカー。
私は大人になって子どもたちにサッカーを指導する立場になった時に、同じように夢中で一緒にサッカーを楽しみました。
大人が楽しそうにサッカーをしていれば子どもたちは自然に集まってきます。
ちょっとした技をみせて、楽しませると子どもたちはすぐに好奇心を刺激されます。
みんなが楽しめるように夢中でボールを追いかけるようになったら私の仕事はほとんど終わりでした。
彼らがサッカーに夢中になること、サッカーが好きで好きでたまらない状態にさせること以上に重要なことはないと思います。
しかし、週末に大会に出かけると、楽しいはずのサッカーがそこにはありませんでした。
罵声のような声がピッチ外から子どもたちに発せられる光景に、私は驚愕してしまいました。
夢中で楽しいはずのサッカーが、嫌いになってやめてしまう子どもが何人もいるという事実を知ることになりました。
それから私は、ブログを通じてサッカーの育成文化をよくしていきたいという想いで発信し続けています。
今回、ご紹介させていただきたい本があります。
育成年代に関わる全ての大人に読んでいただきたい本でもあります。
【サッカー本大賞2020】読者賞を受賞した。『サッカーとビジネスのプロが明かす育成の本質 才能が開花する環境のつくり方』(菊原志郎 著・仲山進也 著)です。
本書の一部をご紹介させていただきます。
夢中になる為には、サッカーの面白さ、楽しみ方を知る必要がある
サッカーがうまくなりたいという子ども自身の意志、気持ちが必要です。その上で一番大事なのは、サッカーに夢中になるということです。夢中になることができれば、つらいことや苦しいことがあっても乗り越えられます。夢中になる為には、サッカーの面白さ、楽しみ方を知る必要があります。サッカーっていろいろな楽しみ方ができるスポーツなんです。
- 作者:菊原志郎/仲山進也
- 出版社:徳間書店
- 発売日: 2019年11月30日
ジュニアサッカーのコーチの役割は、夢中にさせることだと思います。
サッカーの面白さを感じさせ、楽しみ方を伝えることです。
「教える」ことでは夢中にさせることはできません。
日本の多くのジュニアチームの指導を見ていて感じるのは、表現させてあげることが足りていないということです。
サッカーを初めてやるような子どもたちに。蹴り方やドリブルの仕方を教えるのはナンセンスです。みんなで楽しくボールを蹴ることです。間違っててもいい。手でボールを持ってしまってもいいんです。
やらせてあげること。遊ばせてあげることが一番大切なのです。
サッカーは世界で一番楽しい遊びです。私はそう思っています。
サッカーは教えるのではなく、夢中にさせるものなのです。
サッカーの本質を追求する旅はつづく…
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