とにかく長時間サッカーをすること、一つのスポーツにひたすら打ち込むこと。
それが成長につながると信じている大人がたくさんいます。
でも、本当にそうだろうか。
先日、ある少年がそう思わせてくれました。
近所のバドミントンをしている小学生。
「始めて間もないのに、長くやっている子よりいい動きをするんだよね」
と保護者の間でとても評判です。
見ていると、その子は、シャトルが飛んでくるまでの一瞬の間に、相手の位置をみて、打つ場所を確認しているようです。
小学生くらいのバドミントンの選手は、シャトルの動きだけに目を奪われることがほとんどだそうです。そのため、周りを見ることができるその少年に他の保護者は驚いています。
なんでそんなことができるのかな、と思って話を聞くと、その子はバドミントンのほかにサッカーもしているとのこと。
「サッカーでボールを受ける前にパスする相手や敵の位置を確認するから、バドミントンでも自然とまわりを見るんだろう」
とバドミントンのコーチが話していました。
まだどちらのスポーツをメインに決めるかは迷っているそうですが、保護者もどちらかに強制することなく、したいことをすればいいと見守っているようです。
きっと、バドミントンでの経験がサッカーでも生き、サッカーの経験がバドミントンでも生かされ、どちらを選んだとしても素晴らしい選手になるんだろうな。
先日ご紹介した、為末大さんの著書「遊ぶが勝ち」にもこんなふうに書かれていました。
日本人のスポーツ選手は、大学までは順調に伸びていくけど、そこから成長が止まってしまうタイプが多い。その原因の一つは、それまで多彩な身体経験をしてこなかったからかもしれない。
早い時点で一つの競技に絞りこんで、それだけをやってきている選手が多いのも日本の特徴だ。たとえばアメリカの選手は、多種多様なスポーツを体験してきてアスリートになっていく。ロシアでは体操が基幹スポーツなのでみんなが経験するが、そこから枝葉があちこちに伸びていき、まったく違う競技に取り組んでいくパターンになっている。そういう自由度や広がりは、貴重な体験になっているだろう。
子どもたちの「やってみたい」「好き」のサインを大人が見逃さず、自由にチャレンジをさせてあげること。
色んなチャレンジをさせることを大人が恐れず、子どもの可能性と成長を信じてあげられれば、日本の子どもたちはもっと輝けるのかもしれないな、と思います。
プロフィール
サッカー少年の子どもを持つ母
子どもたちをもっと笑顔にするためには大人が変わらないといけない…
本には大人が変わるヒントがたくさん散りばめられています。
大人の心を育む本をご紹介していきます。
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