リヤド・マフレズ。
この男を知っているだろうか。
イングランド、プレミアリーグのマンチェスターシティに所属するアルジェリアのドリブラーだ。
以前はレスターシティで日本代表の岡崎慎司ともチームメイトだったことで知られている。
左利きの右サイドアタッカー。
もちろん左サイドでも問題なくプレーできるのだろうが、彼の魅力は右サイドでこそ発揮される。
右サイドから仕掛けてカットインからのシュートとパスが彼の持ち味で、2015~16シーズン、奇跡といわれたレスターのプレミアリーグ優勝の立役者の一人であり、2019シーズンにはマンチェスターシティのプレミアリーグ制覇にも大きく貢献した。
僕自身、彼のプレーを初めて見たその日から虜になった。
何度もプレー映像を見て盗める所はないか研究した。
というのも、化け物のような身体つきをした選手が集まり、世界一激しいと言われているリーグでマフレズは179cm、61kgという細い身体で化け物達と戦っている。
いや、その化け物達を嘲笑うように軽々といなしてプレーしている。
僕は、細身の日本人が海外で活躍するためのヒントがマフレズに詰まっていると思う。
プレミアリーグという世界一激しいリーグで化け物達をいなしてしまうマフレズの魅力を紐解いていきたい。
余計な力を抜く
相手に囲まれても全く焦らない。マフレズの頭には「ボールを取られるかもしれない」なんて思考は全くないように映る。リスクを恐れない心。圧倒的な自信が心と身体の落ち着きを作っているのだろうか。そして相手の人数を確認し、重心をよく見てそれとは逆にボールを運ぶ。ボールを相手に晒しているのがミソで、こうすることにより相手がボールを取れると思って飛び込んでくる。そしてそのエネルギーを利用して逆をつく。リアクションドリブルだ。こうすれば身体が細いマフレズは相手とのコンタクトを避けられる。自分のことを良く分かっているのだ。
マフレズのドリブル
上半身がピンと地面に対して垂直に保たれている。そう意識しているというより、自然とそうなっている感じだ。そうなることにより、視野が確保されギリギリまで相手を見れるし、ギリギリで判断を変えられる。スピードアップするときは上半身を少し傾けるだけで、余分な力は使わずに重心移動で自分のスピードをコントロールしている。身体への負担も少ないはずだ。そして、立ち位置が絶妙だ。ボールを常に自分の中心に置いている。相手とのコンタクトも力を入れて相手にぶつかるというよりボールを触れる場所にしっかり立ち続けることでボールを奪われない。
動作の大きさ
フェイントが大きく深い。そして、相手を良く見ている。このように大きなモーションをされたらDFは飛び込むしかないのだ。もし、DFが足を出さなければ普通にシュートが打てる。DF泣かせの選手である。
抜群のキック制度
抜群の精度だ。常にボールを自分の中心で捉えられる位置に立ち続けているため、無駄な動きが一切ない。スムーズにシュートまで持っていき、そして仕留める。マフレズのプレーは「細いからシンプルにプレーするんじゃなくて、細いからこそ、相手をよく見てギリギリまで待つんだ。相手を感じるんだ。相手を怖がっちゃいけない。」そんな風に教えてくれている気がする。
ライタープロフィール
佐藤 靖晟 21歳
高校卒業後イタリアに渡り1シーズン半、今年からスペインに移籍してプレー。
サッカーの本質を追求する旅はつづく…
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