少年サッカーや中学サッカーを観ているとよく感じるのが、指導者や親の熱量だ。
熱があることは素晴らしいことなのだけれど、多くの場合、その熱量が選手にとって適切に伝わっていないケースが見受けられる。
大人がどうしても勝たせたいという気持ちも理解できなくはないけれど、重要なのは選手本人が勝ちたいという気持ちを持っているか、心に火がついているかが大事なのです。その為に指導者や親はどうアプローチすればよいのか考えないといけない。
ところがこれができていない現場が多い。
少年サッカーの試合を観ていると、大人の指示に従わないと怒られるから、仕方がなく子どもがボールを追いかけているようなケースが多い。
これでは選手たちがサッカーの魅力を表現することはできない。
名古屋グランパスの風間監督の本にもこう書かれている。
「勝つ」という目的のために与えている方法が大切
「勝つ人というのは目的を失わない人です。目的を持ち続けている人が、本当に必要な方法論を手にすることができるわけで、その逆は決してありえません。」
「日本の若い選手には、そういう考えを忘れないでほしいと強く願っています。中学サッカーや高校サッカーでは指導者は勝ちたいと思うでしょうし、「勝つ」という目的に向かってさまざまな方法を選手に与えているように見えます。ただ間違ってはいけないのが、プレーする選手がその目的を本当に達成したいと思っているかどうか、なのです。そこにズレが生じると、勝つという目的のために与えている方法が無意味なものになってしまいます。」
【参考書籍】日本サッカーを救う「超戦術」 (ベースボール・マガジン社新書)
自分の目の前の子ども、選手にもっとサッカーが上手くなってほしいと本気で願うのであれば、きっともっと真剣に学び考えなければならない。
自分が培ってきた経験がすべてではないし、目の前にいる人間はひとりひとり異る性質をもっている。それぞれの特徴もユニークだ。
だからこそ、「教える」ことよりも「引き出すこと」に力をいれるべきなのだと思う。
それぞれの良さをもっと解放してあげること。
その為に、まず子どもにサッカーをプレーする喜びを感じさせ、自ら真剣勝負に没頭するように仕向けることが大切だ。そして常に主体的な姿勢を求めること。
育成年代でもっとも大切にしなければならないベースはここだ。
サッカーの本質を追求する旅はつづく…