レアルマドリードのゲームコントローラーのひとりトニ・クロース。
彼はドイツ代表のキーマンでもあり、中盤で非常に重要な役割をになっている。
しかし、派手な選手が多いレアルにいることでクロースのプレーがピックアップされる機会は少ない。
今回はクロースのプレーを紐解いてみたい。
クロースの巧さの理由
世界最高レベルのサイドチェンジ
チラッと右サイドを見ておいて、フリーな選手がいる左へ出すと見せかけて、キュッと右へずらし、ズバッとビームのようなサイドチェンジ。相手に出しどころを読ませない為の駆け引きと鋭い高精度のキック。
ズバッと前に推進する力
ここぞというタイミングでズバッと前に推進する力があり、状況を見極める目が優れている。フィジカルも当然トップクラスだ。時に力強くボールを運ぶクロースは攻の重要なアクセントになる。
ファーストタッチ、トラップの質
ファーストタッチで相手のタイミングをずらすこと、逆をとることを常に狙っている。相手のプレスが圧倒的に速いハイレベルの戦いの中でこれができるのが一流選手なのだ。ボールにタッチするタイミング、動かし方、この細かい所が非常に重要になってくるのだ。
美しく、正確なロングパス
多くの人がクロースといえば正確無比なロングパスができる選手。
というイメージをもっているだろう。それほど彼のパスの精度は高い。
右足でも左足でも正確に受け手のスピードを活かすパスが出せる。
中盤での守備力
クロースの守備のセンスは抜群だ。読みの早さ、反応の速さ、守備範囲の広さ、どれも素晴らしい。現在のレアルの強さの理由の最大のポイントは守備力である。しかも、良いディフェンスは攻撃のスタートであるということを理解している選手がこのチームには多い。ハメス・ロドリゲスやイスコなど他のチームでは確実に10番を担うファンタジスタを押さえてスタメンをはれる最大の理由はこの守備力とゲームをコントロールする力、サッカーインテリジェンスの高さだろう。
前回、モドリッチの巧さの理由を書きましたが、レアルの中盤を支えるこのふたりのプレーは是非、注目してほしい。
トニ・クロースはモドリッチとチーム全体のバランスをコントロールしながらボールをタッチする。ボールに緩急をつけ、リズムを加え、リズムを壊し、流れをつくり、流れを切り、あらゆる駆け引きをしながらボールをロナウドへ、ベンゼマへと繋いでいく。
彼らのプレーは日本の若い選手たちだけでなく、サッカーコーチ、ファンにも見てもらいたい。サッカーを見る目を養ってこそ日本のサッカーのレベルは向上する。
サッカーの本質を追求する旅はつづく…