雑誌「Wired」の《音楽の学校》という特集がとても興味深い内容でした。
アデルというイギリスのスター歌手を生み出した学校の話がとても面白く、サッカーを通じた育成やチームづくりのヒントになるものでした。一部引用をご紹介します。
技術よりやさしさ
「わたしたちは、幼少期から特別な教育を受けてきた裕福な家庭の子どもたちをスカウトするような閉ざされた学校ではありません。常にインクルーシヴであり、子どもたちが好きなこと、得意なことをわたしたちと一緒に伸ばしていきましょう、というスタンスです。意外に思われるかもしれませんが、入学審査の過程においても、生徒たちのパフォーマンス力はほんの小さな比重しか占めていません。どれだけ巧く楽器を演奏できるかではなく、事前審査や面接、筆記試験を通して、生徒たちにリスペクトを払える「やさしさ」をわたしたちは見ているのです。」
「どの専科の専攻においても、われわれがもっとも重視するのは「親切な人間かどうか」です。これを限られた時間で見極めるのは容易ではありませんが、アーティストとして生きていくためにも裏方として活躍するためにも、他者を敬えるかどうかは死活問題といえるほど重要な要素です。でなければ、自分をサポートしてくれるチームを築くことはできないし、チームワークなくして、成功を持続させることは不可能ですから。アデルはとりわけ目立つ生徒ではありませんでしたが、いつもとても協力的でチームワークに長けていました。グラミー賞を総なめにするほど大成したいまも、彼女は驕ることなく、常に等身大であり続けてくれる。これはすごいことです。」
一流のアーティストを生み出す土壌はこのような理念の基育まれたのです。
音楽はアーティストが表現するものです。
私はサッカーも同じだと思うのです。
サッカーはアートと同じようなものです。
人の感情を動かすものであり、人間の根源的なものを表現する行為なのです。
アートはチームで創造するものです。チームはひとりひとりの表現が調和され、ひとつの運動体となって生み出されるもの、創造されるものなのです。
技術やテクニックに捕らわれていてはいけない
サッカーチームをつくるときにセレクションをして選手を選ぶクラブが無数に存在するけれど、選手のポテンシャルを見る目はどうなの?育成年代の指導者の人たちはどこを見るべきなの? いま、どれだけ上手いのか。いま、どれだけ速いのか。どれだけ強いのか。そんな表面的な見方しかできず、未来に対して盲目な指導者が多いと聞く。
本当に大切なことを見失わないで欲しいと思います。
圧倒的な表現力を生み出す個とはなんなのか、それを育むチームとはどうあるべきなのか、もっと考えなければない。追求していかなければならない。
サッカーは答えのないものを生み出すということです。
この本質を忘れてはならないのです。
サッカーの本質を追求する旅はつづく…
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