『サッカーはシンプルで美しい』
ジダンというサッカーのアート作品のような男がいた。
ジダンのプレーはダイナミックでエレガントで柔らかかった。
絶妙のタッチ、絶妙のコントロール、絶妙の身体の運び方。すべてが美しかった。
複雑なフェイントは一切しない。一つ一つのプレーが常にシンプルで洗練されていた。
シンプルなプレーを極めるということ
『いつまでも試合が終わらず、このままプレーしたいと思うときがある』
ジダンの言葉であるが、私はいつまでも彼のプレーを観ていたかった。サッカーをここまで芸術的に表現する選手をみたことがない。唯一無二の偉大なプレイヤーなのである。どんなに敵に囲まれても、どんなに激しいタックルがきても優雅にかわした。人を喜ばせるプレーというのはプレーする選手自身はそれ以上に大きな喜びなのである。
『足の間にボールを置いたら後は自分でも何をするかわからない』
フットボールはアドリブなのである。ジダンがいうように、あらかじめ決められたプレーというのは存在しない。常に変化する状況の中で頭で考えてプレーしていたらとてもじゃないが間に合わない。身体全体で感じ、自分の感性でプレーをすることが求められる。フットボールは頭でやるものではない。勘違いしてはいけない。身体全体でやるものなのである。
『正直、常にサッカーをする上で考えたのは昨日の自分を越えることだけだった』
昨日の自分を超えるということ。一流の選手というのは相手と自分を比べるなんてことはしない。それほど愚かでバカバカしいことなのだ。自分が成長するためには昨日の自分をいかに超えるかということを考えることだ。ジダンは自分らしさを追求し、自分にしかできない表現を追求した結果、伝説になった。
サッカーの本質を追求する旅はつづく…
おすすめ記事