ピテカントロプスという素晴らしすぎるサッカーマガジンがある。
私はラテンサッカーカフェMFの有坂さん(2015年現在)にこのマガジンの存在を教えてもらってから熱狂的なファンになってしまった。このマガジンにはサッカーの本質が詰まっている。サッカーへの愛が詰まっている。サッカーとアートが融合し遊び心が満載である。
今回はこのマガジンの一節、オシムを日本に連れてきた男、祖母井さんの言葉をご紹介したい。
答えは一つではないのに全ての答えを用意して型にはめてしまう
日本だけではなくドイツでもフランスでも起こってる先進国の問題。
育成プログラムがシステム化すればするほど、個性を表現することが難しくなってくる。子供の時に、遊ばせながら教えたチームとガチガチなプログラムで教えたチームが試合をしたら、ガチガチに指導したチームが勝ちますよ。でも将来的に伸びるのは遊ばせながら教えたチームだと思います。
失敗ができると上手くなる
プロチームのユースなどの場合は指導者も良い選手を出さなければいけないし、上からのプレッシャーもあります。そうすると色々なことを教えちゃうわけですよ。教えれば教えるほど子供達は育たないんです。
逆にアフリカとか、教育システムがしっかりしていない地域から豊かな発想力を持った選手が出たりするわけです。サッカーはどこでも出来るから、器材やグラウンドが整っていることが「良い環境」というわけではないんです。
場所さえあればどこでもいいんです。
大切なのは子供たちが、そこでどう考え工夫するかだと思います。
僕らの考えを押し付けてはいけない
なるべく子供たちが考えて判断するような、大会の成績にこだわらないサッカーをさせたいのです。もっと遊びがあっていいと思う。失敗してもいいと思う。日本の指導はそうさせないようにしているのかもしれないけれども、大人のプログラムで動くんじゃなくて、もっと自由に子供たちのアイデアが活かせるような、子供たちの発想でトレーニングができるような、そういった環境をつくってみたいです。
技術は遊びの中で身につける
僕がドイツで指導していた頃の子供たちは、リフティングができないのに試合ではめちゃくちゃうまかったり、インサイドキックが出来ないからパスはインステップやアウトサイドを使ったり、技術が遊びの中で身についていました。
どこで蹴ってもパスができればいいんですよ。日本ではインサイドキックを小さいときから教えるけれども、本当は子供の体の構造上インサイドキックはあまり合っていない蹴り方なんです。考え方でも技術でも指導者が無理に教えてしまうと、子供たちは良さを表現しにくくなってしまいます。
僕らの考えを押し付けてはいけないんです。
「自由な発想の中から新しいサッカーが生まれる」のですから。
将来は子供たちのチームを率いるのが僕の夢なんです。公園でもどこでもいいから集まって子供たちに教えたいですね。年齢や国籍も関係なくね。
サッカーの本質を追求する旅はつづく…
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