大人になってから学ぶサッカーの本質とは

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サッカーを好きにさせる天才、【鞠中毒感染源】OMAの魅力 

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サッカーの育成年代に携わる人間で明八中学サッカー部(通称メイハチ)の小俣さんを知らない人は少ない。

 

『OMAさん』の愛称で知られるこの男は、それほど育成年代では影響力がある人間だ。

私も彼ほどオープンで少年の心を持つ指導者を見たことがない。

どこまでも純粋で、いつでも自分をさらけ出すことができる日本人離れした大人だ。

しかし、OMAさんは度々批判の対象になる。

理由は明快だ。

「リフティングとかドリブルだけ上手くなったって試合に勝てない」「サッカーというゲームの特性を理解した上で指導しないとダメだ」などなど、その内容は一見理にかなっているようだが…

 

OMAさん本人も言う。

「散々言われてきたよ」と。

私がOMAさんを指導者として好きになったエピソードがある。

楽しそうじゃないんだよ。子どもたちが。

ある日、私はOMAさんの車の助手席に座り、熱心に話す氏の言葉に耳を傾けていた。これまでのサッカー人生について、サッカーの指導に携わるようになって感じた自分の力のなさ、学校教育の問題etc...

たくさん話をしてくれた中で、強烈に印象に残っている言葉がある。

 

「いろんなチーム見てきたけどさ、楽しそうじゃないんだよ。子どもたちが」

 

これは、私自身も指導に携わるようになってから、常に感じている日本の育成年代の課題の一つだ。

 

「サッカーってめちゃくちゃ面白いんだぞっていうのを、ちゃんと表現できる大人が少ないと思う。」

 

育成年代、とりわけサッカーを始めたばかりの子どもたちには、まず興味を持たせることが一番なのに、そのカテゴリーの指導者の多くはサッカーの魅力を伝えきれていない日本の現状には疑問を感じている。

 

しかし、OMAさんはそんなサッカー初心者たちを虜にしてしまう。

彼の指導する明八(メイハチ)中学生たちの多くは入部当初、リフティングすらままならない子が多いという。

以前、こんな記事を書いた↓

keikun028.hatenadiary.jp

OMAさんと過ごせば、リフティングが2回しかできなかった子が1年で信じられない成長を遂げてしまう。

サッカーを教えるのではなく、サッカーへの好奇心を刺激しまくるのがOMA流だ。

子どもたちの好奇心に火をつけることの大切さを知っているのだ。

サッカーを好きにさせること

OMAさんは言う。

「まずはサッカーを好きにさせることが大事でしょ。」

「ボールを蹴るのが楽しくて、楽しくてしょーがない!そうなっちゃえば勝手に上手くなるもん。俺らにできるのは刺激を与えることと、きっかけをつくることなんだよ」

「子どもって、感動したら自分からどんどん積極的になるからね」

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子どもたちの前で技を披露するOMAさん。みんな楽しそうにプレーを見つめる。

OMAさんの魅力とは?

彼の魅力をよく知る4名に話を聞いた。

OMAさんの魅力ってなんだと思う?

OMAさんって、強い信念や考え方持ってるんですけど、なんというか超自然体なんですよね。心にスッて入ってくるというか、気がついたら超楽しく一緒にボール蹴ってるんです。そんな感じですね(笑)

そう語ってくれたのは藤尾きらら選手。

現在ブラジルでプレーする彼女はOMA氏の影響をもろに受けた1人だ。

 

そして2人目は、

OMAさんがいるところは、いつも楽しい雰囲気があります。

いつもボールと触れ合う楽しさがOMAさんからは滲み出てます。

どこに行っても楽しくボールを蹴れるOMAさんを尊敬しているし、もはやアルゼンチン人並みのフレンドリーさを持ってると思います。

アルゼンチンでプレーする鷲野晴貴選手はこう語る。

日本に帰国し、怪我のリハビリで苦しんだ鷲野選手は日本各地のあらゆる指導者との交流をしながら過ごしたが、とりわけOMA氏との出会いは強烈だったようだ。私にも月に一度は経過の連絡を律儀にしてくる彼は話す度にOMA氏の話をするほどだった。

 

そして3人目…

「 してみせて、やってきかせてさせてみて。褒めてやらねば人は動かじ。」これを見せてくれる人だと思います。

シャイで口下手な所がありますが、ブログでは思いの丈を熱く強く応援メッセージを書き記してくれる。

自分自身が「 上手くなりたい 」と想い続け、まだ見ぬ仲間に会った時に驚かれるために日々ボール(鞠)を触る。

まさに鞠中毒。

フッチボーを通じて人と出逢えることに心震え、豊かな人生を歩み続けてる人ですね!会った人を傷つけずに「 また昔みたいにやろうぜ!サッカーって最高じゃん! 」って全身で語れるのがOMAさんの魅力だと思います。

九州の自称 変わり者、福山雄大さんはそう語る。私の知る人物で彼ほどOMA氏の影響を受けた人間はいないだろう。

 

4人目はこの人、

あの歳になっても「自分が一番やってる」ってのをやり続けてるのが本当にすごいと思います。大人になると子供にはやれって言うのに、自分はいろんなことを言い訳にしてやらなくなる人が多いのに。「やり続けられる才能」って絶対必要で、それが僕の中ではOMAさんと長友佑都だなって思いました。 

そう語ってくれたのは、フットボールスタイリストの鬼木 祐輔氏だ。

サッカーを好きにさせる天才

私はこれまで、何人もの指導者と交流をしてきた。

有難いことに非常に優秀で素晴らしい指導者の方々に囲まれていると思う。

しかし、その中でもOMAさんの"サッカーを好きにさせる才能"は飛び抜けている。

彼と出会った人間はみなサッカーの魅力に引き込まれていく。

誰よりもサッカーを楽しくプレーするOMAさんとボールを蹴っているといつの間にか時間を忘れてサッカーに熱中してしまうのだ。

そして、サッカーというよりもボールが大好きになっていく。

この現象をみな、「鞠中毒」と言う。

 

私は、日本サッカーを強くさせる前に、多くの子どもたちにサッカーの魅力を伝えなければならないと思っている。表面的にサッカーを認知している大人は増えてきたが、サッカーを心から楽しむ生涯スポーツにするまでには文化として成熟していないと感じている。

日本サッカー界には、サッカーをプレーする喜びを、感情を全身で表現する楽しさを、もっともっと伝えられる大人が増えなければならないのだと思う。

それを体現しているOMAさんを私はサッカー人として愛している。

そういう私自身も、彼から鞠中毒ウイルスに感染した1人かもしれない…

 

 

身体を動かす感覚とボールをタッチする感覚を遊びながら磨くということ。

 

サッカーの本質を追求する旅はつづく…