大人になってから学ぶサッカーの本質とは

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南米サッカーを体感してわかったサッカーが上手いことより大切なこと

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スペインでプレーする日本人フットボーラー、佐藤 靖晟(ノブアキ)選手に、

「南米サッカーを体感してわかったサッカーが上手いことより大切なこと」というテーマで書いていただきました。

佐藤選手のコラム第三弾です。

 

第一弾

海外リーガー特集第一回 イタリアで挑戦する佐藤 靖晟選手 〜イタリアの地で感じるカルチョの本質とは〜

第二弾

本当にサッカーが上手いとはどういうことか 〜スペインリーガー佐藤 靖晟編〜

 

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サッカーはドラッグ{薬}だ、一度はまったらやめられない  

僕は高校2年の夏休みの1ヶ月間をブラジル、サンパウロ州のクラブで過ごし、イタリアにいた1シーズン半では、数人の南米出身の選手とプレーし、現在バルセロナでは南米出身で指導者の勉強をしにきている人達と住んでいます。

 

 

彼らと関わって学んだ南米サッカーを体感してわかったサッカーが上手いことより大切なことについて書かせて頂きます。

 

南米でのサッカーとは、まず「生活そのもの」だ。

暇さえあればボールを触るブラジル人、

時間があればロナウジーニョの動画を見るベネズエラ人がいました。

ブラジルではセレソン(ブラジル代表)の試合がある時間はお土産屋も閉まります。

おじいちゃん達は1日中サッカーの話しをしています…

 

彼らのそばにはいつもサッカーがある。

私たちが音楽を聴くように、呼吸をするようにサッカーをする南米人。

以前ベネズエラ人の友達がこんなことを言っていました。

「サッカーはドラッグ{薬}だ、一度はまったらやめられない」と。

その言葉は、今でもはっきりと覚えています。

 

サッカーが生きるための手段

次に、「夢」これは簡単に想像できると思いますが、サッカー選手になる=成功する事だ。

貧困層が多い南米でサッカー選手になるということは、自分を含めて家族まるごと自由な暮らしができることを意味する。

イタリアにいた時に聞いた話だけれど、南米やアフリカでプロサッカー選手を目指している子どもの両親は、本来の年齢から2〜3歳若く偽造パスポートを作るという話を聞きました。

 

サッカーは才能があれば若い程チャンスがあるのです。

 

EUパスポートを得る為に、偽装結婚する選手もかなりいます。

もはや単なるスポーツではないのです。

なかには、「サッカー選手になって稼ぐか犯罪をしなきゃ生きていけない生活になってしまう環境に置かれている選手もいる」と聞きました。

信じられないかもしれないけれど、サッカーが生きるための手段なんですね。

そのため、サッカーを愛する選手が、サッカーで成功しようと夢見て、毎日練習し、沢山の選手が大金を稼ぐ為にヨーロッパに渡る。

サッカーにはそうさせる力があるのだと思います。

彼らにとってサッカーとは人生そのものなのです。

 

南米に染みついている、「サッカーが上手い」の定義

ペレ、マラドーナバルデラマ、ヴェロン、カカ、ロナウジーニョリケルメ、メッシ、ネイマールスアレス、ディバラetc…これらの怪物には人と違う共通点があります。

それは、、、「人と違う表現ができるということ」です。

彼らには人ができない事ができるという特技があり、それが人々を魅了している。

周りの皆と同じじゃダメなのです。

それらの選手を見て育って、選手は人と違う表現ができないと生き残れなということを知っているのです

ブラジルやアルゼンチンには何人も優秀な選手がいて、ユース年代でもクビになるのが当たり前の文化なのです。

例え良いチームに入団できても数ヶ月で自分の居場所がなくなるかもしれない。

自分の価値を証明するには、試合で人と違うということを表現するしかないのです。

「ミスしないように安全にプレーする」では上に行けない。

だから彼らはどう相手を出し抜くか、どうパスを出すか、どう点を取るかを常に考えてるのです。

 

相手をよく観察する。

どこに隙があるのかを常に探すのです。

そういった環境が、多くの怪物達を生んだ要因だと思うのです。

 

自分をありのままを、思い切り表現する

 

南米の人たちはすごく愛に溢れていると感じました。

初めての海外単身生活で言葉も分からず戸惑っていた時、チームに馴染めるようにいつも話しかけてくれたり、ご飯に誘ってくれたり、落ち込んでる時にはサンバを踊って楽しませてくれました。

自分がご機嫌でいること、人を楽しませることにすごく貪欲です。

そこだけは妥協しない。

彼らに言語は関係ないのです。

自分があまり言葉を話せなくても積極的に話しかけてくれるのです。

 

サッカーでは常に相手と駆け引きして、敵の嫌がることを考えている。

だからこそ、その逆もできるのかもしれません。

サッカーから離れても、相手を観察して相手を喜ばせようとするのです。

それが結果的に自分の喜びになることを感覚的に知っているのだと思います。

彼らはどんな状況でも最大限に楽しめるように考えるのです。

自分が感じたことを、ありのままに、思い切り表現する。

そこに遠慮は必要ないのだ。と

 

これでもか!という程人生を楽しんでいるダニ・アウヴェス

 

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ゴールの喜びを全身で表現するコロンビア代表 

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ダンスが大好きなジェリー・ミナ

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サッカーより大切なこと。

それは見て、感じて、それをありのまま、思い切り表現することだと思います。

いや、思うだけじゃダメだ。自分で表現しないと。

  

ライタープロフィール

佐藤 靖晟 21歳
高校卒業後イタリアに渡り1シーズン半、今年からスペインに移籍してプレー。

佐藤 靖晟 (@92670731) | Twitter

 

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 サッカーの本質を追求する旅はつづく…