大人になってから学ぶサッカーの本質とは

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小さすぎるゴールキーパー冨澤拓海の2度目の海外挑戦|国内外での経験で得た武器とは

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小さすぎるゴールキーパー冨澤拓海。

4年前、彼がモンゴルでプレーしてる時に書いた記事は大きな反響があった。体が小さくてもチャレンジできるんだという勇気を彼は若い選手たちに与えた。

あれからいくつかの国を渡り歩き、今では選手としてチャレンジしながらも自らの会社を立ち上げ、ゴールキーパーの育成にまで携わっている。

 

日本で自身で立ち上げたビジネスも軌道に乗り始めたタイミングで、コロナ禍という海外挑戦のハードルが以前より格段に上がっている今、また海外へ挑戦するという。

4年の時を経て、冨澤選手に話を聴きました。

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プロフィール

冨澤拓海(24歳)

株式会社SHORTERS CEO
海外5年ニュージーランド⇨モンゴル⇨ジブラルタル⇨日本⇨?

日本ではGKコーチ、GKグローブ販売

https://twitter.com/SJSGK_Japan

オランダ国旗のブランド
Robey Sportswear🇯🇵 (@robey_jp) | Twitter

 

ーーなぜこのタイミングで海外挑戦?

実はつい最近まで、選手を引退して、指導者の道に進もうかと本気で考えていました。

指導をする中で手応えがあるのですが、僕が培ってきたゴールキーパーとしての経験、技術を理論的に指導に落とし込むことで、自分よりもポテンシャルがある選手たちの可能性を大きく伸ばせるという自信があるからです。ジブラルタルでプレーしていた時、セミプロ契約でしたが、スペインのラリーガトップレベルのキーパーを生で見て、僕はこのレベルにまで到達できないと感じました。でも、自分よりポテンシャルの高い選手たちを伸ばすことはできるなと思ったんです。実際に、いくつかのクラブから指導者としてのオファーもいただきました。

 

ーーなるほど。それでも指導者ではなく、自分がプレーすることにこだわったんですね。 

はじめてサッカー選手として海外に挑戦した時は、体がこれだけ小さくて、しかもこの若さで海外でインパクトを残して成功して、同世代から羨望の目で見られたいという気持ちが強かったんです。

あれから自分もいろんな国でプレーして、事業も営みながら変化したことがあって、やっぱりそれは純粋にサッカーが好きでプレーしたいということです。

日本ではなく海外で挑戦するというのはやはり自分の中の本質的欲求なんだと思います。日本より海外の方がテンションあがるんですよね。

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ーーそもそも海外でプレーしたいと思ったきっかけはなんですか?

中学生の頃に行ったスペインのマドリード遠征ですね。あの年代はバルサとかレアルよりもラージョバジェカーノとかアトレティコマドリードが強くて、アトレティコに負けてしまったんですが、そこまでに結構勝ち上がったんです。あの経験が海外でプレーしたいという気持ちが芽生えました。会場の雰囲気が、観客の熱量がやはりあの年代でも特別なものを感じました。帰国してから、海外の受け入れてくれそうなクラブを自分で調べまくって片っ端から英語でメールを送りましたね。

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当時の記念品

ーー中学生の時?英語の文面を送りまくった?

日本人だから相手にされないと思ったんですが2部、3部のクラブに送りまくりました。
そしたらドイツのフォルトゥナ・デュッセルドルフから返信がきました。受け入れは難しい旨と合わせて丁寧に若者の気持ちに寄り添った文面だったんです。残念でしたが、今思うとジュニアユース世代の日本という遠い国の若者からのメールによく返信してくれたなと思います。ドイツサッカーは懐が深いなと思いましたし、サッカー文化が根付いているんだなと感じましたね。

海外挑戦はエージェントを使わずに自力で

そんな中学時代の経験もあって、僕は海外のクラブを決めるときはエージェントを通さずに自分で交渉してきました。ジブラルタルでもサッカークラブに片っ端から電話をかけて英語で交渉しました。もっというと、まずはチーム名をFacebookで特定して、キーパーコーチがわかったら名前で検索してメッセージを送るというやり方です。そこからプレー映像を送って、練習参加させてもらって実力見てもらって、よければ契約してもらうんです。

今回もまだどの国でプレーするか全く決まってませんが、また自分で切り開いていきたいと思います。

海外でプレーできたことで変化したのはコミュニケーション力

ーー冨澤選手のプレーで印象的なのがコーチングの巧さです。やはり海外での経験が生きてますか?

そうですね。海外に行く前は、相手の主張をあまり想像できなかったというか、インタラクティブなコミュニケーションの質が低かったです。相手がどう思うのか、どんな感情なのかは大切にするようになりました。自分の意見が主張できるようになったからこそ、相手と本質的なコミュニケーションが取れるようになったと思います。

自分の考えと相手の考えをすり合わせるということが、日本だとなかなか難しいと思います。そういう技術を教育の過程で学んでこなかったですし、言語的な違いもあると思いますがコミュニケーション文化の違いはありますよね。自分もそうでしたが、日本の選手ってなかなか自分の主張を表現できないんです。だからこそ、そこを掘り下げる技術がついたというのはあると思います。相手の本音を引き出す技術ですね。伝える言葉はとても大事にしてます。

ゴールキーパーの指導でも、セービングする技術はもちろん大事ですが、コミュニケーション、コーチングの重要性はしっかりと伝えるようにしています。

ーーサッカーにおいてコミュニケーション力はとても大事ですよね

以前は小さいゴールキーパーというわかりやすいキャッチコピーで売り出してましたけど、海外でプレーしたことでコーチング能力という部分が実は自分の強みだったというがわかったというか、新しい自分を知れたというのはあります。

サッカーではコミュニケーションがとても重要で、コミュニケーションの質が上がらないとチームとしても深く繋がれないですよね。

海外に限らずですが、チームに合わせて自分を出すというのはとても重要で、やはり自分の出し方は考える必要があります。自分の意見を出しつつも、相手の反応や意見を汲み取りながら調整して理解を深めていく、それがコミュニケーションの本質だと思います。この辺りはやっぱり上手くなりましたし、海外でも楽しめる自信に繋がっていると思います。

新たな挑戦になりますが、また一つ成長して帰って来れたらと思っています。