先日、サッカー関係者の仲間と食事をしている時、某高校サッカー部で行われている罰走の話になりました。
聞いたところによると、新入部員が毎年かなりの数入ってくるようで、多すぎる部員を減らす意図で罰走や理不尽な高学年によるいじりがあるという話でした。
人数が多すぎて、練習場所が限られていて、全員を見られないから仕方ないという話にもなりましたが、罰走やいじりをする理由にはならないと思います。
私も高校時代同じように罰走やいじめで部員数を減らすのは伝統としてありましたが、もう20年以上前の話です。この20年、全く進歩していないのかと愕然とします。
以前にも書きましたが、連帯責任による罰走がいじめのきっかけになるんです。
教育に携わる大人として、これは知っておいてほしいと思います。
新入部員は数ヶ月ボールを触れない、ひたすら走って体力づくりをするという話も未だに聞きます。
下記のnoteにも書きましたが、学校が閉鎖的であることも関係するのでしょうか。
よりよい方向に持っていくのは難しいのでしょうか。
池上正さんの著書に、こんなことが書かれていました。
試合に走り負けたからと、指導者に「走ってこい!」と言われた子どもが下を向いて走っている光景があります。それが終わって親のほうに行くと今度は親にも同じように責められて下を向いている子どもたち。ニコニコしながら楽しそうに話している親子の姿がほとんどないのは気のせいでしょうか。
これらの風潮は、日本の教育制度の弊害かもしれません。
「できるだけ良い学校に入りなさい」 「せめて大学くらいにはいきなさい」
サッカーの現場でも親は子どもにこう言うでしょう。
「とにかく強いチームに入りなさい」
良い学校に入っているという安心感。強いチームに入っているという安心感。子どもではなく、親が主体となっていないでしょうか。
罰走が行われるところは、そこそこ強い学校なんです。
だから部員も集まるし、生徒も簡単には辞められません。
親の期待を裏切れないし、理不尽も乗り越えなければならないわけです。
そこに教育者がつけ込んではいけないと思います。
だからこそ、よりよい未来を考えなければならないのではないかと思います。
罰走で精神を鍛えるなど、もはや指導者の思考停止の象徴だと思います。
少しでも、つまらないことでサッカーから離れてしまう若者を減らしていきたいです。
- 作者:岩瀬健/清水英斗
- 出版社:カンゼン
- 発売日: 2022年06月07日頃