近所の公園でジュニア年代(8歳~10歳くらい)のサッカーチームが練習してました。
ちょっと足を止めて見ていました。
教え過ぎちゃうチーム
ミニゲームで、ある子がゴール前で、馬鹿正直にシュートをして、目の前の子(相手ディフェンダー)にブロックされたシーンが2度続きました。それを見たコーチが、状況を説明、「右に〇〇がフリーだったよ。パス出したら◯◯はフリーでシュートできるじゃない。顔上げてみて!」
そして数分後、ゴール前で同じようなシーンがありました。
その子はコーチの教えに忠実にフリーの味方にパスして、ゴールを奪えました。
コーチも、「やればできるじゃん!フリーの味方どんどん使えよ!」とその子を褒めてました。
気づきを与えるコーチングはいいですよね。
その後、フルコートのゲームが行われました。
中盤でフリーになった子が、前線にいるフリーの子の動きを確認せずに、ドリブルで前に運ぼうとした時、ピッとコーチがゲームを止めました。
また、状況を説明、「ゴールに近い◯◯の前にスペースがあるだろ?あそこにパス出せればキーパーと1対1でビッグチャンスだよ」と、ビシッとスルーパスを通して見せました。
何度か、そのような感じでゲームが止まり、コーチがシーン毎の最適解を教えていました。
これはちょっと教え過ぎだなと思いました。
この記事のタイトルにもあるので、私が伝えたいことはもうお分かりだと思うのですが、先回りして教えちゃダメだよなあと思うわけです。
試合に勝たせたい、勝ちたいコーチ、あるいは親の気持ちが先行すると、教え過ぎてしまう傾向があります。これはもう10年以上、現場を見てきて感じるところです。
先回りして教えちゃダメな理由
先回りして教えてしまうというのは、子どもが自ら気がつく機会を奪ってしまうということです。失敗して、上手くいく為にどうすれば良いか考えて、また失敗して、考えて、やっと解決策を見出すことができる。そのプロセスを経てはじめて自らの力になるわけです。
大人の知恵を子どもに入れることが指導ではないと思います。
子どもが知恵を出せるようになる為に、大人も試行錯誤が必要なんです。先回りして教えるというのは大人の怠慢でしかありません。
自ら気が付くのを待つこと、気が付く為のサポートをすること、気がついて、解決策を自ら見出すのをサポートすることこそが育成年代の指導者の仕事なのではないかと思うんです。
サッカーはプレーヤーが主体的に楽しむゲームです。
監督の指示を忠実に守れるイエスマンを量産したところで、その選手たちは監督なしにはサッカーができず、サッカーを主体的に楽しむこともできないでしょう。
「俺がいないとダメだな」そんな監督のいるチームを作ったらダメです。
人生は主体的に楽しむものです。サッカーも同じなんです。
あれもこれも教えてしまうことで多くのことを失っている可能性があることに気がつかなければなりません。
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