大人になって、子どもたちにサッカーを教える立場になって感じ始めた違和感の話をしたいと思います。
私は、コーチの役目は子どもをサッカー好きにさせ、上手くさせることだと思っていました。
目の前の子どもたちをどうやってサッカー好きにさせるか、楽しくて楽しくて仕方がない状態にするか、夢中にさせるかをずっと考えて、一緒にボールを蹴っていました。
エラシコを見せたり、たくさんの技を見せて、
「えーすごい!どうやってやんの?」
「こんなことできたら絶対楽しい!教えて!」
「もっと試合したい!試合でできるようになりたい」
こんな感じでクラブに入ってくれた子が何人もいます。
ところが、大会などで外のチームを見てみると、私たちが行っているアプローチとは真逆のことが行われていました。
まるで軍隊のように、高圧的で支配的な大人たちによって強制的にサッカーをやらされている子どもたち、試合に勝つ為に訓練された子どもたち、訓練する大人たちが跋扈していたのです。
僕らの子供時代ならわかるんです。しかし、もう昭和時代ではないのです。
今の時代、子どもの指導に携わる人なら、子どもの好奇心を殺すようなアプローチをしてはいけないことくらいわかるだろうと思っていただけに、かなりの衝撃を受けました。
あれから10年以上経ちますが、現場へ行くと未だに、子どもたちにサッカーを強制する大人がたくさんいます。サッカーが嫌いになって辞めちゃう子もたくさんいます。
なかなか変わらないんです。なぜ変わらないんだろうと、教育に関する本を読んだり、著名な指導者に話を聞かせていただいたり、色々と活動してきたわけですが、今回はある漫画を紹介させていただきます。
【大人の尺度で子供の好奇心を潰すなって話。】1/3 pic.twitter.com/bdKap9tb1K
— ドラゴン桜2(公式)/ 4月ドラマ放送決定! (@mita_norifusa) 2021年2月27日
これを読んで感じたのは、サッカーを上手くさせるには、上手くなるためのノウハウを学ぶ前に、好奇心を育むことがなにより大切であるということです。
そう考えると、日本の教育の価値観をアップデートする必要があると思います。
大人は子どもに強制しがちです。それによって好奇心を殺してしまっていることに気がつかないことが多い。というか好奇心の重要性を理解していない大人が多いように思います。
サッカーに限らず、あらゆるスポーツ、あるいは仕事でもそうですが、困難をどう乗り越えるかという話にも繋がると思うんです。
苦しいけど、楽しさもある、それ故夢中で乗り越えられる、あるいは気がついたら乗り越えていた、みたいな状態になれるかどうかって実は好奇心ベースで生きているかどうかだったりすると思うんです。
でも、みんな嫌な仕事を、生きる為にやらなきゃいけない、苦しいけど気合と根性で乗り越えなきゃ仕方ない。そんな生き方しか学んでこなかった人が多いから、その基準で子どもに要求するのかもしれません。
好奇心はとても大切です。人生において。
ですから子どもたちの好奇心を育んでいきましょう。
サッカーの本質を追求する旅はつづく…