つい先日、あるニュースが目にとまりました。
2021年 2月23日のBBCスポーツニュースです。19歳のサッカー選手がヘディング後の症状により引退したというものです。
Bobby Copping: Former Peterborough defender on retiring at 19 after heading a ball - BBC Sport
この記事については、 フットボールファミリー・ユナイテッドが翻訳してくれています。
https://www.facebook.com/106226547997861/posts/156076876346161/?d=n
最近になって、 ようやく日本でも新聞やネットでヘディングの危険性が大きく取り上げられることも増えてきました。
でも、保護者の間でどれだけその認識があるだろうかと考えたとき、どこか対岸の火事で、そこまで深刻に捉えられていないような気がするのは私だけでしょうか・・。
2年前、当時小学生の息子が参加したサッカー大会での出来事です。
相手チームの選手が、ヘディングをした時に相手と接触したのか、その場に倒れました。
立ち上がりません。
まるで一瞬、時がとまったかのようでした。
両手を広げ、大の字にピッチに寝転んだままの少年。
一瞬会場の空気が凍りついた後、時計の針が動き出したかように、 少年は体を動かし立ち上がろうとしましたが、またその場に倒れました。
慌てて駆け寄る仲間とコーチ。
すぐに救急車が呼ばれました。
その後、「あ、脳震盪だね」という、 ほかの保護者の安堵の声が聞こえました。
脳震盪はよくあること。脳震盪は大丈夫。
そんな会場の雰囲気。
その雰囲気にとても違和感を感じました。
日本では未だに脳震盪を甘く見る傾向があるんだと思います。
「知らない」とうことは本当に怖いことで、例えプレー中に脳震盪 になり瞬間的に意識がなくなっても、 たいていはすぐに気がつくため、 プレーを続けようとする選手が少なくないそうです。
しかし、脳震盪は脳の損傷です。
記憶障害や後遺症を残すこともある、とても怖い脳の外傷です。
脳震盪が疑われた場合、絶対にプレーをさせてはいけません。
また最低でも24時間は1人にせず様子を見る必要があります。
さらに脳震盪を起こして、短期間で二度目の脳震盪を起こした場合、致死率が50%を超えることもあります。 (セカンドインパクト)
2021年シーズン、Jリーグでは脳震盪による交代枠が導入されたました。
これから、少しずつ、日本のサッカー界でも変わっていくとは思います。
でも、 街クラブや少年団までもが変わっていくまでまだ時間がかかるかもしれない。
頭を強く打った時、常にコーチがそばに居てくれて、 プレーを中断してくれるとも限りません。
私たち子どものサッカーを見守る保護者ができることは、 彼らを守るためにきちんと正しい情報を得て適切な判断ができるよう学ぶこと。
そして子どもたちに脳震盪の危険性を伝え、 頭を強くぶつけた時は、 なんともないと思えても、実は大きな危険性があるということを伝え 、 プレーをする選手自身が自分の命と未来を守るために行動できるようサポートすることなんだと思います。
冒頭ご紹介したヘディング後の後遺症により引退した選手はこんな言葉を送ってくれています。
"Your brain is your future and football is a very small amount of someone's life,"
(脳は君たちの未来であり、 サッカーは人生においてとっても小さなことだ。)
とても心に響きます。
最も大切なことはなんなのか、私たちは時々、見つめなおす必要があるのかもしれません。
( フットボールファミリー・ユナイテッドのサイトにはヘディングに関連したたくさんの記事が紹介されていました。ぜひ学んでみてください。)
https://www.facebook.com/footballfamilyunited/
ライタープロフィール
サッカー少年の子どもを持つ母
子どもたちをもっと笑顔にするためには大人が変わらないといけない…本には大人が変わるヒントがたくさん散りばめられています。大人の心を育む本をご紹介していきます。