大人になってから学ぶサッカーの本質とは

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学校教育の問題と、教育の本質が記された小説「みかづき」

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「大人数での集団授業に慣れ、勉強に対して受動的になっている子どもたちも、教える側が先回りしてあれこれと世話を焼きすぎなければ、おのずと頭を使いだす。わからないこと、ふしぎなことは「知の種」だ。何故だろうと首をひねった瞬間、彼らの中には知的好奇心の芽がのびる。子どもを勉強に親しませる最善の道は、その芽を大事に育ててやることだ」 

森絵都さんの「みかづき」 という本の一節です。

日本の学校教育の問題を的確に捉え、教育の本質が記された一節だと思います。

 

・子どもを受動的にしてはいけない

・教えすぎず、好奇心、探究心を育むことの重要性

 

この本は、人生を教えることに捧げた、塾教師たちの物語です。

教育関連の本はたくさん読んできましたが、教育という文脈において、こんなにも学び多い小説を読んだのは初めてです。

教育をどのように考えていくべきなのか、この本を通じてたくさん考えさせられました。

余白を残すこと

「どんな子も八十点とれる問題をめざしているんです。いい点をとると、子どもたちは喜んで、もっとやろうって気になるんですよ。しかも、落とした二十点がくやしいから、今度は百点をとろうと奮いたつ」

子どもに100点を取らせることが先生のミッションではないということです。

何のためのテストなのか、考える必要があります。

サッカーの試合でも同じです。子どもの試合、この目の前の試合に勝利することがコーチのミッションではないはずです。

子どもが成長する為に、自分たちで学びたい、上手くなりたい、勝ちたいという気持ちを育むことが先生やコーチのミッションです。

そう考えると、余白を残しておくという考え方はとても大切なことなんだと思えるようになるかもしれません。

 

失敗を振り返ること

「塾では消しゴム禁止だそうですけど、なにか意味が?」

「単純に、消しゴムで消したら誤答が消えてしまうからです。誤答が消えたら、子どもたちは弱点を忘れてしまう。自分がどこでつまづいたのかを省みるすべがなくなる。」

 失敗を忘れてはいけないし、忘れさせてはいけません。正解することよりも、正解するまでのプロセスはもっと重要です。なぜ失敗したのか、なぜ正解できたのか、プロセスは成長の軌跡そのものです。勉強もサッカーも同じです。同じ失敗を繰り返さないように、成長する為に必要なプロセスを見えるようにしておくということはとても重要なことです。失敗を否定してはいけません。失敗を忘れてはいけません。可能な限り。

 

子どもの教育に携わる方は、とてもとても学びが多い小説だと思います。

みなさんのおすすめの小説があれば、ぜひコメント欄などでご紹介ください。

みかづき

みかづき

  • 作者:森 絵都
  • 出版社:集英社
  • 発売日: 2018年11月20日頃
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