サッカーを通じて、大切なことを学ぶことができる。
私はそう確信しているのですが、そんな使い古された言葉をいくら発信しても伝わらないんですね。
より具体的に、より説得力のある情報を多くの人が求めていると感じます。
大切なことを伝える力というのは我々大人に求められる能力だと思います。
今回は、現役のサッカー選手、育成年代の指導者の記事をご紹介させていただければと思います。
いずれも、サッカーの本質はなんなのか、サッカーを通じて学べる大切なことはなんなのかということがわかりやすく描写されています。
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自分はどれほど考えていないか
スペインに来て、試合やトレーニングの中で状況を判断する能力が足りないなと日々実感しています。
例えばトレーニングで、相手のプレッシャーを外して自分たちがどのようにボールを運んで攻めるのかを実際の試合形式で行う練習があります。
片方のチームは自分たちのフォーメーションを敷いて、もう片方のチームは対戦相手と同じフォーメーションにして相手と同じプレッシャーのかけ方をする。極端に言うと、“相手がハイプレスをかけてきて高い位置でボールを奪いにきたら、相手のDFラインの裏のスペースを使っていこう”みたいな約束事を作るといった練習です。
最初に監督から、相手のプレッシャーのかけ方と、それに対して自分たちはどのスペースを使ってどこから攻めるのかという、相手の攻略法みたいなことを説明してもらいます。そのトレーニングの中で、監督から教えられた通りのところにボールを出すと、「今のは違う。相手の動きをよく見て考えろ」とよく指摘されます。
“今、言われた通りのことをしましたけど……”と最初は思っていました。しかし、その練習の中で周りの選手たちがどんどん状況を理解し判断を変えているのを見て、自分がどれほど考えていないのかを痛感させられました。
相手と同じプレッシャーのかけ方をするチームの選手も、サプライズで違うことをやってきたりします。それでも、全く動じることなく判断をスパッと変えられる選手が多いと感じました。
育成現場に求められること
「世界基準のサッカーとは何か。それはサッカーの本質をどれだけ理解できているかという点にかかっている。本質とは何か。つまり、サッカーとは不安定なボールを不慣れな足で扱わなければならない極めてカオスなもの。
そのカオスなサッカーというスポーツで、ゴールを奪い、ゴールを守るという根源的な目標をなしえるためには、あらゆる状況において自立的な判断で戦っていくことが前提条件となる。その自由で自立的な判断が要求されるという裏には、それぞれが担う責任をしっかりと果たさなければならないという暗黙の了解がある」
日本選手の弱いところ
「仲間に求めたいのは、戦術的なことより、声を出すことや要求すること。自分が何をしたいかを表現する部分が日本選手は弱い。言葉が違うので自分のサッカーがなかなか伝わらないこともあるけれど、ピッチの上では身ぶり手ぶりも交えてやりたいサッカーを共有したい。エネルギーやアグレッシブさも含め、気持ちの部分をもっと出すように要求したい」
「特別なアドバイスはない。相手も違ったり、監督が何を考えているか分からなかったりするので。ただ、今、日本でプレーしているし、文化や国民性が好きになったので、日本と住んでいたポーランドに1次リーグは抜けてもらいたい」
サッカーの本質を追求する旅はつづく…