12/13(日)、岩谷蹴球塾なるものが東京、新大久保の海城高校で行われた。
岩谷さんは野洲高校を日本一に導いた人であり、天才軍師と呼ばれる偉人である。
岩谷篤人氏を知らない人は、5月に行われた岩谷さんのトークイベントの模様を参考にしてもらいたい↓
教えることなんてなにもない
岩谷さんは「子供から学んだんだ。教えることなんて何もない。」と冒頭から言い放った。君たちは子供から、選手から学んでないのか?なぜ俺なんかに学びに来るんだ?本気で伝えることはできてるのか?ということを発していた。
いまもそんな余韻がある。
「なにを話せばいいんだ…」と言いながらも
静かに語り出した…
「色んな子供がいる。育った背景も色々やし、そんなのわからんし、障害を持つ子も、女の子も外国の子もいる。そんな子らを見なあかん。子供らから学ばなあかん。」
教え方とかメソッド的なものが通用するのかと。形ちゃうねん。子供らが目の前におるんやから。
子供から教えてもらえない指導者はダメだということ
サッカーで一番大事なのは「速さ(早さ)や」
「相手より先にボールを触ることや。ドリブルもその連続。常に相手より速く触る。」
常に相手より早く考えて、速く動かせばボールはとられない。
敵を遅くする能力。いかに敵を遅くできるか、どうしたら相手より速くボールを触れるかということを常に考えることができる選手に魅力がある。
センスは”タイミング”や
「パスするタイミングが抜群に良い。それこそがセンスや。」
センスのある選手はタイミングが良い。ドリブルをするタイミング。パスを出すタイミング。シュートをうつタイミング。ディフェンスだったら寄せるタイミング。足出すタイミング。ファールするタイミング。
それをやるタイミングがセンスや
ボール扱いが上手い選手はたくさんいる。セゾンの子らより上手いチームはなんぼでもおる。でもサッカーが上手いチームは少ない。
せっかく技術があるのに、いつどこで使うのかわかってない。その技術を使うタイミングが大事なんだと。これはセンスのある指導者が少ないってことなのかもしれない。
勝ち負けよりも大事なことがあるって言えるのは大人だけ
「勝ち負けより大事なことがあるって大人がいうのは分かる。でも、子供にとっては勝ち負けより大事なことなんてないやろ。
蹴って走る根性サッカーに上手いチームが負けて、子供らが今は負けてもしゃーないってなってるのはおかしい。絶対勝たなあかんねん。そう思わせなきゃあかんねん。」
あらゆることを犠牲にして子供に勝たせることに必死な頭の悪い指導者は腐る程いる。そんなチームにこそ勝たなくちゃいけない。とことん技術で凌駕する。本当のサッカーをみせ続けなきゃ変わらない。
本気で伝えるということ
セゾンの10番をつけていた子が阪南大に進学した。
1年からレギュラーで出ていたんやけど、ボールをすぐ出せと先輩たちに言われ続けて、その状況がつまらなくて辞めると言って家に帰ってきた。親が岩谷さんならどうします?って聞いてくる。
「俺ならボコボコに殴るで」って言った。
親は、その子の気持ちを尊重したい気持ちもあるしサッカーを続けて欲しいという気持ちもあるらしい。でも、俺ならボコボコに殴り倒す。そんな小さいことで逃げ出すようなやつは許せない。俺はそんなやつにはなってほしくない。俺はそんなん嫌やという気持ちを伝えなきゃいかんのんちゃうん。
人生をかけてでも伝えなきゃいけないことがある。それをしっかり伝えることができてるか?と、ここにいた全員が問われているような気がした。
私は岩谷 さんが本当に伝えたいことは、あなたたち本当にいいのか?本気で生きてんのか?大事なことを伝えることはできてるのか?というサッカー云々ではなく、ひとりの人間としてちゃんと”生きてる”か。という問いを投げかけられた気がした。
選手をみたら指導者の本質が分かる
うちはこういうチームなんですけど…って説明なんてしなくていいから子供らを見せてみろって。選手を見ればすべてがわかる。人の顔色ばかりうかがう子供がいればそのチームの指導者がどんな奴かだいたいわかる。
大人が変わらなければならないのだと思う。そしてサッカーの本質を伝えることと同時に人としての在り方も伝えなければならない。
岩谷さんはサッカーを伝える上で大切なことはサッカーの本質を知ることの前に人としての在り方だ。という強烈なメッセージを残した。
どんなにサッカーを知っていようとも表層しか伝えられない人間であるならば価値なんてないんちゃうん。と
— KEI 走り抜ける12月 (@Keivivito) December 15, 2015
サッカーの本質を追求する旅はつづく…
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