スペインのとあるサッカー指導者の動画をご紹介させていただきたい。
スポーツをする子どもの親御さん、育成年代の指導に携わる方はぜひご覧ください。
スペインでサッカー指導に携わる小嶋さんのTwitterはいつも興味深い情報が流れてきます。この動画の書き起こしは動画の下にまとめました。
育成年代の指導者をしている方へ。
— 小嶋 将太/Kojima Shota (@hinchadefutbols) January 30, 2020
1分で終わる動画だから見てほしい。 pic.twitter.com/0Efd735Q9u
子どもの成長を焦ってはいけない
成長を焦っちゃダメだ。
成長を急ぎすぎるのはよくない。
選手もその周りにいる両親や、おじいちゃんおばあちゃん叔父さん叔母さん、従兄も友達も…
選手がおかしくなってしまう。
今ちやほやされてる選手も2年後には普通の選手になってしまう。
なんでそんな急ぐ必要があるんだ。
落ち着いて、家でゆっくりすればいい。ちゃんと勉強して1人の人間として成長しないといけないんだ。
ちゃんと勉強してなかった選手が22歳になった時、どうなっていると思う?サッカー選手にもエンジニアにもなっていない。
私にも息子がいる。
子供のやりたいようにやらせればいいんだよ。
周りは大人しくしてればいい。
子どもの成長を焦ってはいけない
ジュニアサッカーの現場に行くと、子どもより必死になっている大人をたくさん目にします。
自分の子どもを他の子どもたちよりも一歩でも早く成長させたい! そんな気持ちが出てしまっている親御さん多いと思います。
指導者も同様です。
試合に勝つために、子どもたちを鍛えないといけない。必死で結果を出すために頑張る指導者たくさんいます。
でも、試合に勝ちたいのは子どもたちよりも大人たちなのです。
子どもたちは急激に成長はしません。無理に成長を促してしまうことで多くを犠牲にします。大人の勝手な気持ちで高い負荷をかけてはいけません。
子どもたちが目の前の試合に全力を出すことは素晴らしいことです。
しかし、大人にけしかけられて、やらなければいけないという気持ちで無理してプレーしてしまうことで失うものは大きいのです。
これは日本だけの話ではないんです。
南米もスペインをはじめとするヨーロッパのサッカー強国にも、サッカーに熱い大人はたくさんいます。子どもたちの試合で大人同士が喧嘩になることもしばしばあると聞きます。
でも、子どものためのサッカーが大人の娯楽になってはいけないのです。
本当に子どものためを思うのならば、子どもたちの時間を、子どもたちの世界を尊重してあげることが大切なのだと思います。
子どもの成長を焦ってしまう大人があまりにも多いと思います。
あれもこれもと習い事を詰め込んで、子どもたちに余白がないんです。
これはあらゆる先進国で起きている問題だと聞きます。
いま、日本の子どもたちには遊び場がありません。
公園に行っても、サッカー禁止、野球禁止、遊ぶ場所がなくなっているんです。
子どもたちが自らこんな活動をしないと遊び場を確保することも難しいんです。
子どもが自由に創造できる場所を
自由にクリエイティブな活動をする場は、お金を払って習い事をしないと手に入らないのです。でも、これはそんなに自由じゃないですよね。
子どもが育つ場をもっと大人が設計していく必要があると思います。
大人が介入しないと、子どもが遊べないなんてあまりにも過剰管理だと思います。
文化は誰にも管理されないところで生まれ、育まれていくものです。
ストリートカルチャーやオタク文化はまさにそうだったと思います。
我々大人がやるべきことは、子どもを管理することではなく、子どもの時間を、子どもの世界を作ることなのだと思います。
サッカーの本質を追求する旅はつづく…