「いまは、プロの第一線でやっていける身体をつくれるかどうかしか考えてない。これ以上もう身体を鍛えることができない、これじゃあプロのレベルとして戦っていけないとなったら、自分でわかると思う。そのときは、もうしようがないでしょ」
「練習を半分にして、じゃあ、先発ではなくて後半の20分からだけ出られるようにしましょう、ということでチームがいいと言うなら、契約してくれるなら、もしかしたら、あと5、6年はできるかもしれない。でも、僕は先発で出られる身体をつくるためにトレーニングをしている。つまり90分間フルに出場したいということです。妥協して、20分でいいというのは、自分の流儀じゃない。少なくともいまはそういう考えはまったくないです」
引用元:プロ31年目の49歳・三浦知良が感じる恐怖とは? 〈dot.〉|dot.ドット 朝日新聞出版
三浦知良という男の言葉だ。
49歳、プロサッカー選手歴31年。
キングカズと呼ばれ、まさにサッカー界のキングである。
誰も異論はないだろう。
私はカズが嫌いだという人を見たことがない。会ったことがない。
ここまで誰にでも愛されるサッカー選手は他にいないのではないだろうか。
限界を決めるのはいつだって自分
私は今年で33歳になる。プロサッカー選手ではないけれど、いまだにそれなりのレベルでプレーできる自信はあるし、これからもできる限り長い間プレーし続けたいと思う。先週末の試合で足を骨折した。
お医者様には、「折れてますね。長年酷使されてきているのでしょう、足首の骨が変形しています。プレーできるのが不思議なくらいですよ」
そう言われてそろそろ限界なのか… などと、うなだれているときにこのカズさんの記事と出会った。私は自分で勝手に限界を決めかけていた自分が恥ずかしくなった。情けなかった。
私は最善を尽くしていない。すべてを出せていない。
本当に愛するサッカーを続ける為に可能な限りできることをやるしかない。そう思いました。
日々最善を尽くす 努力を続ける
「確かに毎日続けていくって大変なことだけど、でも、みんなだっていろんな仕事を毎日続けているわけでしょ。努力しているのは、僕だけじゃない。世の中には、僕以上に努力している人はたくさんいるんです。別に僕が特別なわけじゃないと思うけどね。僕はやっぱり恵まれてもいるんですよ。契約してくれるチームもあるし、こうやって支えてくれる人たちもいるわけで」
引用元:プロ31年目の49歳・三浦知良が感じる恐怖とは? 〈dot.〉|dot.ドット 朝日新聞出版
三浦知良がキングであり続ける理由
以前、インタビュアーがカズにこう聞いた。
カズさんの全盛期はいつだったんですか?
その問にカズさんはこう答えた。
全盛期? これからだよ
日々、最善を尽くした先に成長があるということだ。
いくつになっても成長し続けることを信じること。
これを私は自分自身に言い続ける。
大切なのは技術じゃない、今日死んでも悔いはないという思い
(パク・チソンへの言葉)いいかい智星、自国以外でサッカー選手として生き残るのは本当に困難だ、最後までサバイバルする選手に一番必要なものは何かわかるかい? 技術じゃない、そのクラスの選手の技術はみんな同じくらい高いからね、一番大切な事は、サッカーへの情熱、一途の献身、毎試合今日死んでも悔いはないという思いで試合に望む、サッカーに人生を賭ける選手だ 〜中略〜 うまくは言えないけれどこれが俺のサッカー人生だ、智星が本当にサッカーを愛しているならとことんまで愛してやれ。智星のプレーで全然違う国の人々を熱狂させてあげるんだよ、それは本当に素晴らしい経験なんだよ
カズは、サッカーを愛する世界中の人たちの希望だ。
カズという人間の心には国境がない。国など関係ないのだ。ひとつのボールを通じて分かり合える仲間はみな同様に仲間なのだ。人種も性別も関係ない。
サッカーを愛する我々日本人の師であり、その姿を私はこの目に焼き付けておきたい。
サッカーの本質を追求する旅はつづく…
本を読んでいるとサッカーの才能だけでなく人間性の魅力や文章能力・客観的な感覚・自身を冷静に見れる判断力・・・。いろいろ伝わってきます 読んですぐに理解できるのはキングカズとは現役主義・現場主義であり日本に残るラストサムライなのだ
「学ばない者は人のせいにする。学びつつある者は自分のせいにする。学ぶということを知っている者は誰のせいにもしない。僕は学び続ける人間でいたい。」 P.245
「素晴らしき90分間を思い返す。幸せ、やり切った充実感…。ずっとやっていたいね。死ぬまでね。」 P.251
「自分の中では、サッカー生活に終止符を打つ気持ちはさらさらない。サッカーを続けるために身体のケアもやめないし、練習もやめないし、試合出場への意欲も捨てない。「やめないよ」は、そんな決意の表れでもあるわけだ。」 P.254
最近のサッカー選手はユース出身が多数を占めていてカズのようなプロを目指すにもサッカー人生のレールがまるで見えないことはない 近代的な選手にはないハングリー精神・泥臭い魅力を持つカズから学ぶ若手は今までも現在もこれからも後を絶えないカズは世界に誇る日本サッカー界の宝です