スペインのエイバルで活躍する日本が生んだアドリブラー、乾貴士選手。
世界最高のクラブであるメッシ擁するFCバルセロナやクリスチアーノロナウド擁するレアル・マドリード、更にはセビージャやバレンシアなど世界トップレベルと日々切磋琢磨している。
タイトルにドリブラーではなく、アドリブラーと書いたのは決してドリブルだけの選手ではないからだ。状況に応じたプレーの質が高くなければスペインでは通用しない。
乾貴士選手のプレーには日本サッカーが世界のトップレベルに到達するためのヒントが含まれている。
自分の武器、魅力を発揮するための技術
世界のトッププレイヤーは自分の武器、魅力をいかんなく発揮することができる。
常に相手に警戒される中で、それを高いレベルで出来ることが重要なポイントなのである。乾貴士選手はスペイン一部リーグという世界最高峰のレベルでそれを発揮しているのです。
切れ味鋭いドリブル、絶妙なアシストでチームを牽引する乾貴士選手の才能を紐解いていきたい。
左サイドを切り裂くドリブル
キックフェイントからギュンッとサイドを突破し、追いすがるディフェンダーの股の間を転がす絶妙なボールコントロール。そしてピンポイントのセンタリング。
世界屈指の猛者が集まるスペイン一部リーグでも屈指のサイドアタッカーと呼ばれる乾選手のプレーは日本にとって大きな武器となるでしょう。
サイドからバイタルエリアへのカットイン
縦にも行けて、中にも切込める。フリーになればピンポイントのクロスもあげられる。
これらの武器を駆け引きに使いながら常に相手の逆を取る。
乾選手のファーストタッチ、ボールを置く位置は素晴らしい。
ディフェンダーも速く、細かいタッチと軽快なステップに奪いどころを見出せない。
容易に足を出すと抜かれてしまうのだ。
世界で通用するドリブル
世界で通用する日本人のドリブラーはこれまでいなかった。松井大輔や香川真司も海外では定評のあるドリブルを魅せたけれど、乾貴士ほどドリブルでインパクトを残せていない。
日本で育んだドリブル技術を世界水準に高めることはできるということ。
より激しく、感情的で野生的な環境で磨いたドリブルは日本代表の財産になるだろう。
ドリブルという武器を磨き、それを発揮するための技術に注目していきたい。
試合の中で刻々と変わる流れ、その中での駆け引きで優位に立ち、適切なタイミングで武器を使うこと。これが高いレベルでできること。
カットインからのシュートは武器になる
乾選手のようなサイドアタッカーは攻撃に幅を持たせる。
縦に速い攻撃ではもちろんのこと、ゆっくりとゲームを組み立てながら攻撃を行うときもサイドから起点を作ることができる。
縦にも横にも行かせたくないディフェンダーはとても嫌な相手だろう。
バイタルエリアへ侵入されるとカットインからのシュートも警戒しなければならない。
スペインを切り裂く乾選手のドリブルは日本代表の武器になるでしょう。
ロシアワールドカップで華麗なプレーを是非観たい。
そして彼のプレーは日本のサッカー少年少女に夢を与える。
サッカーの本質を追求する旅はつづく…