これからの時代、求められるのはサバイバル能力です。
すでに終身雇用制度は崩壊し、前例のない、答えのない時代に突入しています。
ビジネスマンは自分自身で人生をクリエイトしていく力が求められるのです。
サッカー選手も同様です。
今回は、そんなサバイバル能力を身につけた、海外で逞しく戦う日本人サッカー選手をご紹介します。
「この試合に負けたらクビ」
僕がプレーしたマレーシア、タイのクラブでは外国人選手は助っ人として扱われ、チームを勝たせるのが役割でした。
チームが勝てないと責任の矛先は外国人選手へと向くものです。
試合前に「この試合に負けたらクビだ」と言われたこともあります。
自分がチームを勝たせて結果も出さなければならないのです。
言葉も100%通じない環境で、外国人助っ人特有の緊張感やプレッシャーの中で不安になることもありますが、目の前に現れた試練ひとつひとつと向き合って乗り越えてきました。
僕が異国の地で闘ってきた中で得たメンタリティーについてお伝えできればと思います。
「経歴」
・柏レイソルU12
・ジェフ千葉U15.U18
・青山学院大学
・2012〜2014 SC相模原
・2015前期 横浜フィフティークラブ 後期無所属
・2016 アルビレックス新潟シンガポール
・2017前期 サバFA(マレーシア)
・2017後期 ノンブアFC(タイ)
・2018無所属
・2019ランパーンFC(タイ)U12
改めて、初めまして。
地頭薗雅弥です。
現在タイ2部のランパーンFCでプレーしています。
僕はSC相模原時代、アマチュア契約で午前中に練習、午後はサッカースクールで仕事という生活を送っていました。
プロ契約を目標に3年程プレーしましたが、状況は変わりませんでした。
そして4年目のシーズン最初、考え抜いた結果チームも仕事も全て辞めて、プロ契約を勝ち取るために海外に行くという選択をしました。
そこから横浜フィフティークラブにお世話になった後、タイやドイツなどにテストを受けに行きましたが決まらず半年以上無所属が続きましたが、アルビレックス新潟シンガポールの是永社長にオファーを頂き、プロサッカー選手のキャリアをスタートさせることができました。
タイのカフェで僕が公私共にお世話になっている下地奨選手といる時にオファーを頂いたあの瞬間は今でも忘れられません。
「もう一度始まったサッカー人生」
2016シーズン、シンガポールで全タイトル制覇を達成した後、2017シーズンにマレーシアのサバFAからオファーを頂いて僕の外国人選手としてのキャリアがスタートしました。
サバFAでの活躍を評価していただき、2017シーズンの後期にタイのノンブアFCに移籍を果たしました。
しかし2年契約をしていたはずの2018シーズンの開幕直前に、突然契約解除をされました。
タイでは契約書は「紙切れ」同然、残りの契約期間の給料も払ってもらえず、チームも失ってしまいました。
最初は途方に暮れていましたが、何かアクションを起こすしかないと思い、本を読んだり自分が興味のある方の発信を見て勉強をしていたところ、出会ったのが「クラウドファンディング」でした。
そこで僕は新しいチームが決まるまでの活動費を募らせていただくことにしました。
初めての経験で不安を抱えながら始めましたが、皆さんに温かくご支援いただき、支援総額は目標金額の20万円を大きく上回る109万1000円に達しました。
そこから慶應大学ソッカー部でトレーニングをさせていただきながらインドネシア、マカオ、マレーシア、バングラデシュ、タイなどにチャレンジをしましたが結局一年間チームは決まりませんでした。
皆さんにこれだけ応援していただいているのに、もう引退するしかないのかと思っていた所にランパーンFCからオファーを頂き、2019年1月に再びプロサッカー選手としてのキャリアをスタートすることができました。
「海外から見た、日本のサッカー」
僕が海外に出て感じる日本の課題は、「強烈な個性が認められない文化」にあると思っています。
日本では、どの要素も平均点の選手を求める傾向が強い。もちろんそういう選手も必要ですが、海外に比べると特にその傾向が顕著だと感じます。
例えば、ものすごくテクニックがある選手と、ものすごく足が速い選手と、ものすごく強い選手と、ものすごくボールを奪える選手と、ものすごく背の高い選手がいる場合、皆が長所を上手く出し合って短所を補い合い、それをインテリジェンスでまとめ上げることができたらとても面白いと思います。
日本の強みは間違いなく協調性、規律を守る力、最後まで諦めずに闘えることだと思います。
これを試合開始から最後までできるのはものすごく強みです。
だからこそ、今の強みである協調性や一丸となって闘うメンタリティーに加えて、選手が持つ強烈な個性を認め、それをチームとしてまとめあげることができれば、ものすごく面白いサッカーが出来るのではないかと思っています。
「挑戦する人達へ」ー最後に笑い話にできたらいい。
「日本を出る」
「やったことのないことを始める」
「みんなに反対されてもやりたいことがある」
何かに挑戦する時に、人の目、批判、不安などはつきものです。
でもどうしても見たい景色があるなら、一歩を踏み出して諦めずに挑戦してほしいと思います。
僕は恩師に、「諦めずにやり続けた人しか見えない景色があるはずで、俺はそれを見れなかったから、ゾノにはその景色を見てどんな景色か教えてほしい。」と言われました。
本気で挑戦するって、悔しい想いばかりで、上手くいかないことの方が多いと思います。
でも僕も諦めずにその景色を見て、恩師とその景色の話をしながら美味しいお酒を飲める日を夢見ています。
いつまでも挑戦者であること、諦めずに挑戦し続けることを大切にしていきたいと思っています。
浮き球でグラウンダーのパスを出したい時は、ボールが地面から上がってくる瞬間に、足をボールの下に入れてアウトサイド気味のインステップ(小指と薬指の上辺り)で回転を加えてあげて、目的地に届ける。#キック講座 pic.twitter.com/KE1YOvUMdS
— ZONO (@MasayaJitozono) 2019年4月16日
サッカーの本質を追求する旅はつづく…