大人になってから学ぶサッカーの本質とは

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日本の子供たちを指導していて最も苦労することは何ですか?

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育成年代の指導に携わる方、お父さんお母さんにオススメしたい本をご紹介します。

 

日本では当たり前に行われ、常識になっていることが、実は子供の成長を妨げている。

そのようなことが実に多いと感じています。

常識に縛られやすく、ルールに忠実な日本人の性質がそういう傾向を生み出しているのかもしれません。しかし、サッカーは時にルールを守ることよりもルールを破る発想が重要になります。

 

浜田満さんの著書の中で興味深い一文をご紹介させていただきます。

 

FCバルセロナ指導者クリニックを行った際にテクニカルディレクターであるチャビ・モンデロコーチが、下記の質問に答えました。

「日本の子供たちを指導していて最も苦労することは何ですか?」

 

日本の子供たちはトレーニングの最中にボールが外に出たら、自分で取りに行く癖がついています。おそらく、自分のチームでは、ボールが出たら自分で取りに行くのが当たり前なのでしょう。しかし、バルサでは子供たちがボールを取りに行くことはありません。なぜならボールが出た瞬間に、指導者がすぐに新しいボールを入れるからです。つまり、指導者が子供たちのまわりに立ち、常に両手にボールを持ち、脇にボールをストックしておくのがルールなのです。

いわば、日本のチームでは試合と違った状況で練習が行われていて、それが当たり前のようになっているのです。サッカーの試合中は、常に集中していなければなりません。しかし、ボールが出るたびに練習が途切れていては、集中力は高まりませんし、実際の試合では集中力の欠如が失点に繋がるのです。

【参考書籍】世界で通じる子供の育て方 : サッカー選手を目指す子供の親に贈る40のアドバイス

サッカーの本質を伝えること

日本では練習のための練習があまりにも多すぎると感じています。

練習は試合で表現するためのものです。育成年代のコーチたちはどれほどそれを意識できているのだろうか。どれほど練習をクリエイトしているのだろうか。

本当に良い指導者を見ると感じるのは、練習メニューがユニークで試合でのシチュエーションを直感的にイメージすることができる設計になっているのです。

ラグビーのエディ・ジョーンズさんが「コーチングとはアートである」という言葉を残しましたが、まさにコーチングや練習を生み出す行為というのはアートに近い要素があるのだと思います。

しっかりとサッカーの本質を考えて、いかにセンス良くそれを伝え、環境を作るかが大切なのです。

当たり前だと思ってやっていることを疑うこと

私は多くの育成年代のチームをみて、多くの指導者の方とお話をしてきました。しかし、サッカーの本質を教えることよりも、サッカーを教育の手段と考えている指導者が多いように感じます。サッカーを通じて人生で大切なことを知ってもらいたいと思うのであれば、サッカーの本質を理解し、それをセンス良く伝えなければなりません。ところがサッカーの本質を理解している指導者、理解しようとしている指導者はあまりにも少ないと感じています。

サッカーで子どもを教育しようなどと考えるのはナンセンスです。

子どもたちから自発性や主体性を奪っているのは何なのでしょうか。

子どもたちから好奇心を奪っているのは誰でしょうか。

もっと、育成年代に携わる大人が本当に大切なことは何なのかを考えなければならないのだと思います。

 

サッカーの本質を追求する旅はつづく…